過去と比較して最小回転半径は拡大している?
では、現在の車は最小回転半径が大きくなっているのか? 歴代のトヨタ プリウスとスバル レガシィで比較した【図表】を見てほしい。
2台とも前述したボディとタイヤのサイズが拡大していることもあり、最小回転半径もやはり拡大傾向にある。
しかし、ボディとタイヤサイズが拡大しているにも関わらず、プリウスは3代目から現行4代目で、レガシィも3代目から4代目で最小回転半径が小さくなっていることにも注目。
これは特にレガシィで顕著なのだが、タイヤサイズが同等で全幅が広がるとタイヤハウスのスペースに余裕ができて、タイヤの切れ角も大きく取れるようになり、最小回転半径も小さくなることがあるという例だ。
筆者は同じサイズのタイヤ(215/45R17)を履く2代目と4代目レガシィによく乗っていた時期がある。
当時、4代目レガシィは明確に小回りが利き、ボディサイズの拡大は僅かだったこともあり、小回りを含めた取り回しは4代目の方がずっとしやすかった。
サイズ一定の軽はどう? 小回りの“体感”は数値以外の要素も絡む
では、1998年に現行の規格となってから20年以上が経ち、全長と全幅が事実上変わっていない軽自動車の最小回転半径はどうだろうか?
スズキのワゴンRとスペーシアという、過去と現在の売れ筋モデル同士で比べてみた。
やはり、軽自動車も室内の拡大や走行安定性の向上に寄与するホイールベースとタイヤサイズの拡大により、最小回転半径も拡大傾向にあるといえる。
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最小回転半径は小回り性能のため、小さい方がいいのは分かってもらえただろう。
しかし、実際の“扱いやすさ”には、前後の視界や見切り、前後オーバーハングの長さや車に座った時のフィット感、パーキングスピードでのハンドルの重さ、カメラ類の充実度といった要素も関係し、スペックだけでは分からない総合的なものとなる。
例えば、プリウスとプリウスPHVは最小回転半径こそ同じでも、全長は70mmも違う。
そのため車を買う時は、駐車や狭い道などでの試乗も行い、納得できる取り回し性能を持つ車を選んでほしい。
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