最近、コネクティビティとかインフォテイメントとか、カタカナ文字を使うクルマの機能が増えてきて、クルマのスイッチ類がやたら多くなってきていませんか?
こうしたスイッチってホントにいるのでしょうか? たしかに目新しくてクルマを買ったばかりの頃は使うかもしれませんが、ちょっと時間が経つと、ほとんど使わない、忘れ去られた存在になってしまっているはずです。
そんな「いらないスイッチ」をオーナーの意見も入れ込みながら紹介していきましょう。いったい、どんな「いらないスイッチ」が出てくるのか?
文/野里卓也
写真/野里卓也 ベストカー編集部
■よく知られている使わないスイッチ
まず、ほぼ使わないスイッチとして、よく知られている以下のスイッチは除外した。今回はそれ以外の使わないスイッチ類を紹介していこう。
●パドルシフト
●アイドリングストップのオフスイッチ
●VDC、ESPオフスイッチ
●ヘッドランプレベライザー
●パーキングランプ(駐車灯)
●ATのオーバードライブオンスイッチ
■ハイブリッドの車両接近通報一時停止スイッチ
それにしても先進装備が増えたおかげでこんなにもスイッチが増加! 一見さんにとってはチンプンカンプン、オーナーにとってもすべてを理解するのに時間がかかるだろう。その一例としてレクサスNXのステアリング右下にあるスイッチ類を見ていこう。
そのなかでも、あまり使わないと思うのは、上記左から2番目のスイッチ。近年発売したトヨタとレクサスのHVモード(同機能は日産リーフにもあり)に設定されたスイッチだ。
これは「車両接近通報一時停止スイッチ」と呼ばれるもので、モーターのみを使って走行している時にクルマの接近を周囲の人に知らせるために、車速に応じた音を発生させる装備。
このスイッチは、その機能を一時停止させるためのスイッチだ。わざわざ付けたのにいちいちオフにする必要があるのかと思ってしまう。
■レクサスNXのアクティブサウンドコントロールスイッチは必要なし?
さらにレクサスからいらないスイッチをもう1つ。アクティブサウンドコントロールは、レクサスのGS FやRC F、それにNXのFスポーツグレードに搭載される装備で、簡単にいうと走っている時に音を電気的に生成して、専用スピーカーから最適なエンジン音をドライバーに届けるもの。
さて、その効果を実際に装備しているレクサスNXオーナーに聞いてみた。やはりというか、予想どおりというか、ほぼ使っていないそうだ。
「NXは静かに走るけど、本気を出せばスッと加速してくれる! NXは静かなほうがいい。NXにはいらない装備でしたね」とのこと。
一方でLC500は試乗したことがあり、その時はV8エンジン独特のサウンドは心地よく感じたというから、やはりそれぞれの車種に合ったサウンドのほうがよいということだろう。
■ドライビングモード切り替えスイッチ
スポーツカーだけでなく、スポーティなハッチバックやセダンなどにも装備されている、ドライビングモード切り替えスイッチ。
ほんとにドライビングモードを頻繁に使っているのか、先代3シリーズオーナーに聞いてみた。
「先代3シリーズのドライビングパフォーマンスコントロールスイッチはATのシフトレバー右側にあり、ECO PRO/COMFORT/SPORTと3つのドライビングモードに切り替えられます。M SportとデザインラインのSportにはSPORT+が付いています。
COMFORTはデフォルトで、ECO PROはATのロックアップ領域を多くしてトルコンによるロスを最小限に抑えたり、補機類も制御してエンジンの負担を抑える、燃費がよくするドライビングモードです。
購入した当初は燃費がなるべく燃費をよくしようと、ECO PROスイッチを頻繁に押していましたが、 停止してアイドリングストップした時に、エアコンの吹き出し口からの風が弱くなり、エアコンの効きがイマイチ悪くなりますし、エンジンをかけるたびにECO PROに切り替えなくてはいけないため、いつのまにか押さなくなりました。燃費が10%ほどよくなるのはいいんですけれど、イライラするほうが多くなるので……」
では、そこまで言うならドライビングモードが最初からなかったほうがいいですか? という質問をぶつけてみた。
「街中、高速道路を普通に走っている分には必要ないかもしれません。確かにこの1年、このスイッチを押したかどうか思い出してみましたが、3回あるかどうか……。
でも、ワインディングを走るときは使いたいので(走る機会はほぼないけど)、このスイッチは取ったら嫌だな……」
あったらいらないと思うけど、なくなったら嫌。ドライビングモードスイッチの本質は、ここにあるのかもしれない。
コメント
コメントの使い方