■ハイオク仕様にレギュラーガソリンがダメなワケ
ハイオク仕様のエンジンにも、当然ノックセンサーは組み込まれているから、レギュラーガソリンを入れてもノッキングを起こしてエンジンにダメージがおよぶことはない。
しかし、加速にはより多くアクセルを踏む必要があり、燃費は悪くなるのでレギュラーガソリンを入れるメリットはまったくないと言える。
輸入車の場合はまた少し事情が違ってくる。日本でハイオク指定となっている欧州車の多くは、実は欧州ではレギュラーガソリン仕様なのだ。
実はガソリンの規格が日本と欧米では異なっている。これが主な原因と言っていい。
欧州ではレギュラーガソリンのオクタン価は95以上となっているのに対し、日本はオクタン価89以上となっており90が一般的で、欧州車に日本のレギュラーガソリンを給油することは想定されていないのだ。
ちなみに日本のハイオクガソリンは96オクタン以上という規格で、98が一般的な数値である。
もちろん前述のノックセンサーなど、ガソリンのオクタン価に応じて添加時期などを調整してくれるが、少し前の輸入車では日本のレギュラーガソリンには合わせ切れず、確実にエンジンの調子が悪くなるクルマもあった。
また日本のガソリンは全国で安定した品質を誇っているが、そのクオリティが世界でもトップレベルと思っているよなら、それは少々古い認識と言わざるを得ない。
というのもひと昔前と比べ、日本のガソリンは劣化が早まった傾向にあるからだ。その原因の一つと考えられているのがETBE(メチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)の添加だ。
これは10年ほど前は添加されたモノがバイオガソリンとして販売されていたが、今はほとんどのガソリンにオクタン価向上剤として普通に添加されている。
欧州のエンジニアの間では、昔と比べて日本のガソリンの質が悪くなったという話もあり、原因は新たに添加されたこのETBE以外は考えにくい。

ただし、欧州でもETBEは普通にガソリンなどに用いられている(日本もフランスから輸入)から、日本だけが特殊な状況、という訳ではない。
燃費が良くなり、ガソリンスタンドが減ったこともあって、給油の回数は減る傾向にあるが、燃料ポンプの冷却のためにもタンク半分以上をキープして、月に2回くらいは給油してガソリンの鮮度を保った方がエンジンには良さそうだ。
■結論/ レギュラー仕様にハイオクガソリンを入れるのは限定的だが効果はある
結論として、レギュラーガソリン仕様のクルマにハイオクガソリンを給油することは、限定的ではあるが効果があると言える。
トルクやレスポンスが向上し、乗り方を工夫すれば(加速が良くなった分、早く定速走行に移るなど)燃費も向上する。
しかし、ハイオク仕様のクルマにレギュラーガソリンを給油するのは、メリットはない。
クルマを大事にしたいオーナーは、レギュラー仕様であってもハイオクガソリンをしばらく試して、効果があるか体感してみることをお薦めする。
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