クルマと道路は切っても切り離せないもの。交通ジャーナリストでもある清水草一が、毎回、道路についてわかりやすく解説する当コーナー。今回は、2023年7月から行われていた、東京湾アクアラインにおけるETC時間帯別料金実験の成果について考察する。
文/清水草一、写真/NEXCO東日本
■社会実験の効果やいかに?
NEXCO東日本は、東京湾アクアラインの上り線(木更津→川崎方面)で行なっているETC時間帯別料金の社会実験について、開始1か月後の交通状況を発表した。
この社会実験は、東京湾アクアラインの混雑緩和のため、土日祝日を3つの時間帯に分けてETC料金の割引・割増を行なうもので、普通車の場合、土日祝日の0時~13時は従来通りの800円、13時~20時は400円割増の1200円、20時~24時は200円割引の600円としたものだ(平日の通行料金は800円のまま)。
発表によると、開始1か月後の交通状況は、土・日曜ともに13~20時の交通量が減少し、前後の時間帯に分散。渋滞が緩和された。木更津JCT~川崎浮島JCTの通過所要時間は、渋滞損失時間が実験前の最大39分から最大21分に短縮された。
1日の最大渋滞距離は、実験前の平均12.4kmから平均10kmと微減にとどまったが、ドライバーの苦痛は、通過時間のほうに比例する。つまり実質的には「渋滞が半減した」と言っていい。
木更津金田IC周辺の一般道は、従来、アクアラインに乗ろうとするクルマで壊滅的な渋滞が発生していたが、そちらについては、渋滞の列が10分の1程度まで劇的に減少した。
それでいて、アクアラインの1日の交通量は、実験前の平均2万8900台から2万9800台と増加している。つまり、渋滞が緩和されたことで入り込み客が微増。ドライバーも地元もウィン・ウィンだったである。
コメント
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