何キロで元が取れる!? ディーゼル車の走行コストは?
それでは、ガソリンと軽油どちらがよりユーザーメリットが大きいのだろうか。マツダ CX-5を例にランニングコストを比較してみた。
性能も考慮して、2.2Lクリーンディーゼルターボエンジンの「XD」と2.5L自然吸気エンジンの「25S」の2台を選んだ。
【表】のとおり、1000km毎のランニングコストの差は3420円。
CX-5のガソリン車とクリーンディーゼル車の価格差は31万3200円なので、9万1579km以上走行すれば、クリーンディーゼルの方がお得といえる。
高速移動では、燃費はよりディーゼル車が有利となる。これは、かなり大ざっぱな計算ではあるが、長距離、特に高速移動の多いユーザーなら、クリーンディーゼルを選ぶメリットは充分にある。
また、多人数乗車やトレーラーなどの牽引を行うユーザーなら、クリーンディーゼルの力強いトルクは大きな魅力だろう。
補充必須の「尿素水」も燃料コストへの影響は僅か
ディーゼルが良いと思っても気になるのは、最新クリーンディーゼル車に搭載されるようになった「AdBlue(尿素水溶液)」を使う尿素SCRシステム搭載車ではどうかということだろう。
その場合は、AdBlueの価格ぶん、燃料コストは向上する。
例えば、三菱 デリカD:5だと、「おおよそ1000km走行毎に1L程度を消費する」と明記してあり、他社モデルでも、消費量は似たようなものだ。
AdBlueの価格は入手先で異なるが、10L容量のものが2000円程度で購入可能。その場合、1000km走行に対して200円前後のコストアップとなるが、1kmあたりでは、たった20銭程度に過ぎない。
現在、輸入車のクリーンディーゼルは、ほぼAdBlueを使用するものであり、今後は国内モデルでも、AdBlueによる尿素SCRシステムを持つクリーンディーゼル車は増加していく可能性が高い。
実際に、例に挙げた改良型デリカのエンジンや復活したハイラックスのクリーンディーゼルエンジンには搭載されている。
◆ ◆ ◆
やはり、ディーゼルエンジンは、力強いトルクを活かした走りと高速巡行時の燃費の良さにある。
例としてメリットの見出しやすいSUVを選んだが、ディーゼルのメリット自体は、他車でも変わらず、使い方次第では充分恩恵が受けられる。後はユーザーの好み次第だ。
また、日本で石油を精製する以上、ガソリンを作れば、軽油も得ることになる。どちらかが存在する以上、どちらも失われないのだ。
このため、軽油がガソリンよりも安価である点も当面は変わることはないだろう。
コメント
コメントの使い方