高速道路の「街路樹問題」 中央分離帯の植栽は必要なのか? 【清水草一の道路ニュース】  

◾️高速道路に緑が必要な理由とは?

 日本の高速道路は、日本道路公団時代から、緑化に力を注いできた。

 NEXCO東日本の道路管理を行っている(株)ネクスコ東日本エンジニアリングによると、全国の高速道路の緑地面積は、合計9100ヘクタール(山手線の内側の面積の1.5倍)に及び、NEXCO東日本管内だけで、約500万本もの樹木が植えられているという。

「これだけの数を植樹しているのは、高速道路自体を守る役目や、対向車のライトが眩しくならないようにするなどの役目をもっているんですが、そのほかにも樹木の光合成によって二酸化炭素を吸収することで、地球温暖化を防いだり、SA・PAでは緑の木陰をつくって無駄なアイドリングを防止する役目もあるんです。そうそう、春先、桜が咲く頃に高速道路を走ったことがありますか? 高速道路に植えられた桜の木は、およそ37万本。ちょっとしたサクラの名所でもあるのではないでしょうか?」(ネクスコ東日本エンジニアリング『高速道路の緑地保全の取り組み』より抜粋)

植栽のメンテナンスをする様子。写真:ネクスコ・メンテナンス東北
植栽のメンテナンスをする様子。写真:ネクスコ・メンテナンス東北

 もちろん、高速道路に緑はいらないということではない。あったほうがいい。盛り土区間ではのり面が崩れるのを防ぐ役目も果たしている。

 人口密集地帯では両側を遮音壁で囲まれた無味乾燥な区間が多いが、沿道に緑が見えたほうが、ドライバーの心も癒される。一般道の街路樹と同じである。

 しかし、中央分離帯の低木は、手入れのコスト(それによって発生する渋滞損失時間のロスを含む)に対して、メリットが小さすぎる。むしろないほうがいいという気がしてならない。

次ページは : ◾️植栽の歴史はアウトバーンの影響による

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