“働くクルマ” 今後の進化は?
ところで、ガソリンスタンドの全国的な減少により、働くクルマとしての軽商用車にもいずれ電動化が求められるようになるのではないか。
これまで、自宅近くや農業協同組合など集積場所の最寄りにあったはずのガソリンスタンドが廃業していくことになると、仕事で走る道筋とは別に給油のため走らなければならなくなる。
その点、電気自動車(EV)であれば、自宅や集会場所などで充電できる。しかも、遠出の機会は少ないだろうから、急速充電の必要性も薄れる。
三菱は、乗用のi-MiEV発売後に、ミニキャブMiEV(バン)やミニキャブMiEVトラックを発売し、軽商用車の電動化の道筋を示した。
一般に、商用車は走行中の振動・騒音が大きく、労働環境は必ずしもよくない。それでいて、配送などは終日の運転を強いられる。EVであれば静粛性に優れ、どれほど快適に仕事ができるだろう。
しかし、思ったほど販売台数が伸びなかった。背景にあったのは、価格の高さもあるが、4輪駆動の設定がなかったためだ。機械的なパートタイム式であっても、既存の部品を使いながら四輪駆動が実現できていたなら、軽商用EVの販売台数は増えたかもしれない。
製造面でリチウムイオンバッテリーの原価の高さが指摘されるが、原価はある程度大量生産されることで下がっていくものだ。
また、ある程度用途のはっきりした軽商用であれば、大量のバッテリーを積む必要もない。実用の範囲の適切なバッテリー容量に限定すれば、価格もそれほど上がらずに済むだろう。
軽商用といえどもバンとトラックでは用途に応じてまったく別の作り方をしているのだから、働く人のための機能に徹した、商用軽EVの四輪駆動車が誕生したら、喜ぶ人は多いかもしれない。
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