ホンダライフピックアップ
販売期間
ライフピックアップ(1973〜1974年)
ライフピックアップは1970年代にホンダがラインナップしていた軽乗用車のライフをベースにした、現在のスズキワゴンRのような軽ハイトワゴンのライフステップバンをピックアップトラック化し1973年8月に登場した。
ライフピックアップもステップバンと同様にFFらしい地面から荷台の高さやダッシュボードが机のようになっている点など使い勝手に優れたクルマだったのだが、1974年にホンダが軽自動車から一時撤退したことで姿を消し、短命に終わってしまった。
スズキマイティボーイ
販売期間
マイティボーイ(1983〜1987年)
マイティボーイは2ドアファストバッククーペというボディ形状でスペシャリティな軽自動車だった2代目セルボのリアシート後方をピックアップトラック化したモデルで、1983年2月に登場した。
マイティボーイはピックアップトラックではあるものの、積載性などの実用性より低いドライビングポジションなどファッション性を重視したピックアップトラックとしてはスペシャリティなモデルで、価格も45万円からと四輪車としては最安だった。
荷台にはデッキカバーと呼ばれる幌が付くグレードもあり、「スズキのマー坊とでも呼んでくれ」というテレビCMのキャッチフレーズに由来するマー坊のニックネームも未だに頭に残るものだった。
しかしわかりにくいクルマだったのは否めず、1987年12月に生産を終了し(よく4年間以上も生産したという気もするが……)、初代限りのクルマとなってしまった。
トヨタbBオープンデッキ
販売期間
bBオープンデッキ(2001〜2003年)
2001年6月登場のbBオープンデッキは5ナンバー登録の乗用車のまま初代bBのリアシートを若干縮小しながらも残し荷台を設け、リアドアは右側はなし、左側はマツダRX-8のような観音開きとしたピックアップという、トヨタが時々出す楽しげなクルマである。
イエローのインテリア&ボディカラーの設定に加え、車内と荷室をつなげられ天気のいい日なら日光浴もでき、タープテントや荷台の荷物を保護するトノカバーなどのオプションも用意され、価格も169万円(消費税抜き)とそう高くもなく、今見ると面白いクルマなのは事実だ。
しかしリアシートと荷台の狭さによる中途半端さや「いったいどう使うんだろう?」という感も否めず、残念ながら生産期間は2年に満たず、短命に終わってしまった。
ダイハツ ハイゼットデッキバン
販売期間
初代ハイゼットデッキバン(1988〜1993年)
2代目ハイゼットデッキバン(1994〜1998年)
3代目ハイゼットデッキバン(1999〜2004年)
4代目ハイゼットデッキバン(2004年〜)
ハイゼットデッキバンはbBオープンデッキに近いコンセプトで、軽1BOXバンのハイゼットバンの荷台部分をピックアップトラック化したモデルである。
ハイゼットデッキバンはハイゼットバンが7代目モデルだった1988年10月に追加されて以来現在もラインナップされており、日本車の小型ピックアップとしては唯一現存するモデルだ。
現行ハイゼットデッキバンは自律自動ブレーキの設定に代表される現代的なアップデートも抜かりないのに加え、街の電気屋さんからの「冷蔵庫を立てて運べる」というリクエストに応えたり、釣りや漁場などに便利なためなのか海沿いでよく見かけるなど生活に密着したクルマで、一定の需要があり存続しているのもよくわかる。
★ ★ ★
小型ピックアップには思い出すと実用性以外の楽しさも持つ個性的なクルマが多かった。
この点とハイラックスの意外なヒットを思うと、そう売れるジャンルではないにせよ、ハイラックスやハイゼットデッキバンのような唯一の存在であれば市場を独占できそうな気もする。
このことを考えると日産が南アフリカ共和国で生産しているサニートラックの現代版となるNP200を日本導入すれば、小さくない起爆剤になるのではないだろうか。
コメント
コメントの使い方