【たかがナンバー、されどナンバー】ナンバープレートの地名表記の謎

日本で唯一? 文字が変わった愛媛ナンバー

 ナンバープレートの地名表記の変遷を見ると、1文字時代(札幌が札、品川が品など)からフル表記に変更されて現在に至る。

 しかし、いろいろな地名表記があるなか、文字が変更されたレアケースが存在する。それは愛媛県の愛媛ナンバーだ。

 ナンバープレートの地名表記に使用されている文字は、『山』、『川』、『品』など単純なものもあれば、『飛騨』、『縄』など各数が多く複雑なものまでいろいろある。

 愛媛は『愛』も『媛』も画数が多く、形状も複雑なのだが、飛騨や沖縄と違うのは、そのままの文字を使用せず、一見象形文字かと思えるような文字を使用していたのだ。


耐腐食性を考慮して水滴がたまらず流れやすいように斜めのラインを多用しているのが旧タイプの特徴。しかし、愛媛と読めない人のほうが多いと思えるほど。ちょっと象形文字のようで味がある

 写真を見れば一目瞭然、これで愛媛と読ませるの? と思う人もいるかもしれないし、知らないとなんと読むのかわからない人もいるはず。

 まずひとつめは、今では存在しないが、かつて愛知ナンバーが存在した。現在は名古屋ナンバーと三河ナンバーに分割・変更されているが、走った状態で愛知ナンバーと間違えないように、という意図があったという。

 もう1点、決定的な理由があって、愛媛の文字は複雑なだけでなく、くぼみが多い。プレスして作るナンバープレートでくぼみが多いことは百害あって一利なし。

 昔はナンバープレートは鉄製で、くぼみが多いことにより水滴が流れず、腐食しやすいという理由から、あえて水滴が流れやすい傾斜の多い文字デザインをしたという。

 あの愛媛の古いナンバーには理由があったのだ。

 ナンバープレートの生産技術の向上、愛媛と認識できないなどの理由から2003年11月から現在のスッキリしていて誰もが愛媛と認識できる文字に変更された。


ナンバーの生産技術の向上によりくぼみの多い愛媛ナンバーが可能になった。簡略化しながらもしっかり愛媛と認識できる。しかし、旧タイプがなくなっていくのはちょっと残念

 現在愛媛ナンバーは新旧が混在している状況だが、現在の書体に切り替わって16年が経過しようとしているので数は少なくなってきている。

 消滅の危機にあるため、オーナー様には大事に乗ってもらいたいですね。愛媛に旅行に行って古い書体のナンバーを見れた人はラッキー!

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