懸念は乗り心地? エアレスタイヤの課題と使い道
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現実問題として、現在エアレスタイヤがクリアしなければならない問題が少なくなさそうです。
乗り心地とクッション部の剛性は間違いなくトレードオフの関係にあり、乗り心地を良くするためには、柱の部分を柔軟にする必要がありますが、柔らかすぎると突起の乗り超えで柱がつぶれて大きなショックが出てしまいます。
また、カーブでタイヤがねじれたときの操縦性にも課題がありそうです。
タイヤの仕事が厄介なのは、縦方向に回転しながら斜めや横方向に力が加わり、相応の反発力が求められるからです。
ミシュランがアップロードしているアプティス・プロトタイプのSNS動画を見てもほとんどカーブのシーンはありませんし、わずかにハンドルが切れた走行シーンが最後のほうに映っていますが、それを見るとホイールとトレッド面をつなぐ柱が多すぎて、トレッド面の変形が広範囲に起きています。
この状態ではトレッド面の変形による操縦性の悪化が懸念されます。
ユニークで新しく、とても興味深いタイヤであることは間違いありません。限られた場所を限られた走行パターンで走るためのチューニングは比較的容易にできそうなので、実用化の可能性はあると思います。
あるいは、トヨタのi-Roadやトヨタ車体のコムス、日産のニューモビリティコンセプト、ホンダのMC-βなど超小型モビリティならば、車重が軽くタイヤの負担が小さいので、早期実用化が可能かもしれません。
ただ、公道用として市販車に採用するにはまだしばらく時間がかかりそうな気がします。
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