ATのシフトショックを感じたらATFを交換!
ATF(オートマチックトランスミッションフルード)はATの内部で動力伝達、潤滑、内部の制御、冷却といった重要な役割を担っている。エンジンオイルの交換よりATFを交換したほうが、走りが変わるほど体感的には効果が得られることもある。
しかしATFを自分で調べて点検することは難しいので、エンジンを始動させてのATの反応、あるいは走行中のショックなどを感じたらATFの交換を考えるべきだ。
3年あるいは5万kmあたりがひとつの交換の目安で、10万km以上無交換なら、交換しないほうがリスクが少ない場合もある。
リザーバータンク内の冷却水をチェック!
クーラント(冷却液)は、LLC(ロングライフクーラント)なら2年ごとの交換が必要だが、スーパーLLCという最長のモノだと新車から11年20万Km(ホンダのスーパーLLC)は交換不要というロングライフタイプも普及している。
しかし使用期限の間は劣化しない、というのではなく、問題なく使える性能を確保しているというだけだ。
したがってリザーバータンク内のLLCを目視して、明らかに色が濁っている、油が浮いているなどの異常があったら、ディーラーや整備工場に点検整備を依頼した方がいい。
LLCの使用期限内であっても、その他の冷却系に問題が生じていれば冷却性能は低下している。
バッテリー上がりに注意 夏前に必ず点検しよう!
バッテリーのメンテナンスは、近年ますます難しくなっている。以前はバッテリー液が減っていれば精製水を補充して補充電すれば良かったのだが、補水不要のMFバッテリーが一般的になり、クルマのほうもアイドリングストップや充電制御(減速時に積極的に充電するなど省燃費に働く)が備わることでバッテリーの負担も大きくなったことで、管理も複雑になっている。
バッテリーのコンディションがわかる点検窓が付いているバッテリーなら、それを覗くことでバッテリーの状態をある程度判断できる。
しかし充電不足のサインが出ていても、充電するなら専用の充電器でなければトラブルを起こす場合もあり、注意が必要だ。
バッテリーを取り外す場合も手順や専用の機器を接続する必要がある車種もある。クルマに備わっている取り扱い説明書を見たり、ディーラーで教えてもらうなどして、正しいバッテリーの管理方法を知っておこう。
JAFのロードサービス依頼内容を見ても、前述したお盆の期間では、1位/過放電バッテリー:2万332件、30.42%、3位/破損、劣化バッテリー:4528件、6.78%に入っており、合計で全体の37.2%と占めている。
この傾向は7月、8月の月間データを見ても変わらない。いかにバッテリートラブルが多いか、このデータを見た人は、さっそく愛車のバッテリーをチェックしてもらいたい。
補器ベルトの異音や異常がないかチェック!
エンジンは駆動力を生み出しているだけでなく、エンジン自身を冷却するための冷却水(LLC)を循環させるためのポンプや、電装系に電力を供給する発電機、エアコンの冷気を作り上げるコンプレッサーなどを駆動している。車種によっては油圧式パワーステアリングの油圧ポンプも駆動しているのだ。
そうした補機類を駆動しているのが、補器ベルトで、通称ファンベルトとも呼ばれている。
もともとは縦置きエンジンでラジエターファンも駆動していたからその名があるが、横置きエンジンが主流の今、電動ファンが一般的なのでファンをベルトが駆動しているクルマはほとんどない。
ベルトの表裏面に異常がないか、プーリーから異音が出ていないか確認するだけでも充分だ。
運転している時には気付きにくい異音も、ボンネットを開けてアイドリングさせると聞こえることがある。
ベルト類やウォーターポンプ回りからの異音がするようなら、その時点でディーラーに持ち込んで点検してもらうといい。
そのほかエンジンルームを見て分かることとして、オイル滲みやゴムの劣化、樹脂部品の亀裂など、大きなトラブルの前兆を見つけられることもある。
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