最近のクルマは、新車登録から最初の車検までの3年間はエンジンオイルの交換以外ほぼノーメンテでも問題なく走れてしまうほど、メンテナンスフリー化が図られている。
12カ月点検や、ディーラーが推奨する6カ月毎の愛車チェックなどを受けなくても、ノートラブルでほとんどノーメンテのままでも車検に合格してしまうクルマもあるほどだ。
しかし完全なメンテナンスフリーではなく、メンテナンスが不要という意味ではない。長期使用が可能な素材、構造、仕様になっているだけで、一定期間を経過したらメンテナンスをする必要がある。
特に、過酷な猛暑がやってくるこれからの時期、簡単な点検をオーナー自身がしておくことで、トラブルが発生する確率は格段に下がるのだ。
まさに転ばぬ先の杖、真夏の高速道路での大渋滞でトラブルが発生、「あの時にやっておけば、こんなことにならなかったのに……」とならないように、最低限やっておきたい、自分でもできるセルフメンテを紹介していきたい。
文/高根英幸
写真/Adobe Stock
過酷な夏の前にメンテナンスを行うべき!
どうしてこの夏前なのか、と疑問に思うユーザーもいるだろうか。メンテナンスせずに前年の夏までを乗り越えた消耗品は、冬を越え、春を迎えて、確実に前年より劣化している。
前年の夏は問題なく乗り越えられたかもしれないが、今年の夏が猛暑となった場合一気に使用限界を迎える可能性もある。
そうなったら、真夏の高速道路の渋滞中に走行不能、エンジン停止でエアコンも使えず……という状況に陥ってしまうこともあり得るのだ。
昨年のお盆におけるJAFのロードサービス出動件数は9日間で約7万件にも達する。夏と年末年始を除けば、1ヶ月の出動件数は16万~18万件だから、お盆の時期だけで通常の半月分近い出動があるほど、真夏の渋滞はリスクが高いのである。
しかも、その内訳を見てみると全体の半分を占めているのがバッテリーのトラブルとタイヤのトラブル。バッテリー上がりやバッテリー自体の寿命、タイヤの空気圧不足やバースト、パンクが実に多いのだ。
逆に見ればバッテリーとタイヤを点検しておけば、JAFのお世話になる可能性はグンと低くなる。ロードサービスの出動件数が多いのは、クルマのメンテナンスフリー化が原因の一端ではある。
愛車のことをもっと知りたい、自分でトラブルを解決したいとちょっとでも思うなら、まずはボンネットを自分で開けてみよう。
ちなみにJAFのロードサービスを受けるのは、JAFの会員になることが必要だ。個人会員のクレジットカードによるオンライン入会なら、入会金1500円、年会費4000円。
会員になると、一般道でのバッテリー上がり、パンクやキーの閉じ込み、高速道路での燃料切れなど、さまざまなトラブル対応が無料で受けられる。
例えば夜間にバッテリー上がりでJAFを呼んだ場合、非会員だと1万4940円かかるが、会員なら年会費4000円で、基本料+作業料は無料。
ロードサービス救援コールは0570-00-8139(全国共通、年中無休、24時間受付、通話料は有料)、または短縮ダイヤル#8139 (一部のIP電話・携帯電話からはご利用できない) のほか、アプリやFAXでも連絡可能。
救援依頼は何度でもOK。愛車以外、レンタカーや社用車運転中でも使うことができ、友人のクルマに同乗中でもOKだ。
■2018年、お盆のロードサービス救援依頼内容
※調査機関:2018年8月11~19日
●一般道
1位/過放電バッテリー:2万332件、30.42%
2位/タタイヤのパンク、バースト、エア圧不足含む:1万1640件、17.42%
3位/破損、劣化バッテリー:4528件、6.78%
4位/キー閉じ込み:4366件、6.53%
5位/落輪・落ち込み:4051件、6.06%
6位/事故:2658件、3.98%
7位/発電機、充電回路:2.03%
8位/燃料切れ:1828件、2.74%
9位/スタータモーター:1139件、1.70%
10位/ハンドルロック、キー作動機構:902件、1.35%
※高速道路の同期間の救援依頼内容では。1位はタイヤのパンク、バースト、エア圧不足含むが1292件、36.48%、2位は燃料切れ:381件、10.76%、3位は過放電バッテリーが218件、6.15%
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