■ヘリテージには第1弾モデルを収蔵
日産ヘリテージコレクションには、その第1弾となる「ジバンシィ・バージョン」が収蔵されている。同車は大丸百貨店を創業した下村家十二代目当主で、大丸百貨店の社長でもあった下村正太郎氏の愛車だったものだ。
かつての住まいであった京都「大丸ヴィラ」に保管されていたものが、2022年に寄贈された。下村正太郎氏は2007年に79歳で亡くなっているが、同車を手放さなかったのは、とても思い出深い1台だったからだそう。
そのエピソードのひとつが、ジバンシィ氏の創作活動30周年イベントの来日と重なるものだ。来日中のジバンシィ氏とオードリー・ヘップバーン氏は京都を訪れているが、その際、伊丹空港まで下村氏はこのローレルでふたりを迎えに行ったという。その道中、ローレルも話題のひとつとしてひと役買ったに違いない。
永い眠りについていたジバンシィ・バージョンだが、大切に保管されていたこともあり、そのビジュアルはとてもいい。装備も純正のままであり、当時の雰囲気をしっかりと今に伝えてくれる。兄弟車のR30型スカイラインのような目立つ存在ではなかったが、ローレルをジバンシィがさり気なく飾り立てたことで、より上品さが増した姿は現代でも魅力的に映る。
いや、ローレル自身が持っていた魅力をしっかりと引き出してくれているように思えてならない。単に高級アパレルブランドの名を冠しただけのモデルとも思っていたのだが、実車を前にしてみると、よりいい作品にしたいというジバンシィ氏の想いが込められているようにも思えた。
【画像ギャラリー】「4代目ローレル」には「ジバンシィ」の名が付いた特別仕様車が存在していたのを知っているか!?(32枚)画像ギャラリー
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