■安心&安定&快適な走りに驚かされる
今回の試乗会に用意されたのは122ps/21.7kgmを発生する2Lガソリンエンジンにマイルドハイブリッドシステムが組み合わされた6速ATと、116ps/27.5kgmの1.8Lターボディーゼル+6速MTの2台。
トランスミッションの多段化が進むなか6速とはどうかな? という心配をしたが、24VのマイルドハイブリッドながらStop&Go、低中速加速でしっかりヘルプがあり、10%以上の急坂が続くホテルの周囲の道も難なくこなしトルク不足は感じない。
逆に1.8Lディーゼルのほうは、極低回転域のアクセル反応にファジーな部分があるのが少し気にかかる。しかし、中速域のトルク感はディーゼルらしい太さで心地よい。
試乗はフランクフルトの近郊で、前述したホテル近辺の急坂だらけの市街地、そして100km/h制限の田舎道、さらに速度無制限のアウトバーンと試し甲斐のあるコースだった。
では田舎道での印象。ベースはマツダ3なのでサスペンションのシステムは同じ。
車高が高くなったぶん、フロントサスペンションのロアアーム取り付け位置をホイール側で変更してロールセンターの位置調整を施している。リアはトーションビームなので車高に関係しない。
まず感心するのは乗り心地。マツダ3と比較すると若干ハーシュが強めに感じられるが、コンパクトクラスのSUVとしてはトップクラスによい乗り心地。
フロアの振動もないことはないが、室内が静かなのでほとんど気にならない。シートのクッション性もかなりよいことが貢献。剛性感もしっかりある。
デザイン優先で見切りは大丈夫かと気になったが、リア側方など窓面積が縦に拡大されているし、前方&側方視界はドアマウントのドアミラーのおかげでかなりよい。
またチルト&テレスコもストロークがありドラポジも納得だ。
マツダ3より車高が高くなったぶんハンドリングを心配したが、10%ほどロールは大きくなるがストローク感があり、ステアリングを切り始めた時の応答も速すぎず遅すぎず。
ドライバーの癖をクルマがいなしてくれるので、なにも考えなくて済む、万人受けする特性だ。
だから100km/hでの狭い田舎道コーナリングも自然体でこなせ、路面に吸い付くような安心感がある。
その安心感には速度無制限のアウトバーンでさらに驚かされた。160km/hでも余裕。運転支援のLKAを使わずとも自立直進性が素晴らしい。
かといってステアリングがガッチリ固まっているわけでもなく、微妙な操作も受け付ける。
動かすと、その高速でノーズがかすかに反応するから遊びというわけでもない。とにかく安定感が素晴らしいのだ。さらにこの高速域でも室内静粛性がとても高く、風切り音も含め100km/h時と大きく変わらないことにも驚かされた。
CX-30はパッケージングだけでなく、走りも、快適性もクラストップと断言できる。
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さて、CX-30の気になる発表時期だが、2019年7月30日から事前予約の受付を開始し、メーカーの発表は2019年9月20日頃、発売は2019年10月頃になる見込み。見積書の作成が可能になるのは8月の中旬以降になる見込み。
このモデルは、CX-3の後継モデルになるのではないかという噂があるが、当初は新型SUV、CX-30の発売で従来のCX-3は継続販売するという形をとる。
ただ、今後「CX-30が好調に売れ、CX-3が極端に落ち込むような状況が続くようであれば、CX-3はなくなる可能性もある」とマツダ店では予想している。
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