マツダCX-30試乗!! 天下を獲れるか!? 2019年下半期期待大のクルマ

 2019年3月のジュネーブショーでその姿を表したコンパクトクロスオーバーカー、マツダのCX-30(シーエックス サーティ)。いよいよ日本登場の時が迫ってきた。

 マツダ3をベースとし、CX-3とCX-5の間に位置するこの新型SUVに、プロドライバー、そして自動車評論家の松田秀士氏が一足早くドイツで試乗、その詳細をレポートしてくれた。

※諸元は欧州仕様のもの

※本稿は2019年7月のものです
文:松田秀士/写真:MAZDA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年8月26日号


■コンパクトながら配慮の行き届いたサイズ設計

 CX-3はデミオをベースにしたSUVだが、新型CX-30はこのほどデビューしたばかりのマツダ3をベースにしている。

 マツダ3はアクセラの後継車だから、CX-30はCX-3よりひとクラス上のクロスオーバーということになる。

 では、CX-30はマツダ3の車高を上げただけのバージョンなのか? というとそうでもなく、ホイールベースは70mm短い2655mm。

「道路や駐車場を選ばない小回りが利くボディサイズがもたらす運転のしやすさを追求しました」とある。なるほど、そういうことか。

 ちなみに全長も65mm短い4395mmで4400mm切り。全幅は1795mm。全高は175mmの地上高を確保しながら1540mmと、立体駐車場に入る目安となる1550mmを切っている。

ジュネーブショー発表時の資料より

 このサイズに収めたから、見た目でなんとなくCX-3と比較してしまったのだ。

 しかし、そのデザインは素晴らしく、フロントドアからリアドアへのシェイプを変更し、リアクォーターガラスの高さを維持するなど、マツダ3に対してSUVらしい変更を行って差別化している。

 SUVらしいリアフェンダーに繋がる伸び感は、CX-30のほうがカッコいい。

サイドからのビューは従来のマツダ車とくらべても出色の美しさだ

 リアゲートはかなり幅広で、開口幅は1020mmの余裕があり、容量も430L。CX-3とは比較にならず、確かにスッキリと広い。外国製の車輪が大きなベビーカーもすんなり入るとのこと。

 開口部下端高も731mmと低めで、女性や高齢者にも優しい設計だ。

■コンパクトな車体に似つかわしい余裕の室内

 ドアを開けて乗り込む。ヒップポイントは600mmに設定されているが、それはアジア人と欧米人のどちらもが、それほど力を使わずに乗り込みやすい高さだとのこと。

 確かに、SUVにしては何も苦にならずにシートに落ち着く。

インパネにはマツダ3でも見せたドライバーを中心とした左右対称のレイアウトを採用。横方向のつながりも強調される

 インテリアデザインはマツダ3に準じるものなのでここで多くは省略するが、ヘッドアップディスプレイ、7インチ液晶メーター、遠めにセットされた8.8インチワイドセンターディスプレイと、視認性とドライバーの疲れを抑える設計思想に共感する。

フロントコンソール部にはシフトレバーやカップホルダー、コマンダーコントロールなどの操作部が集中的に配置される

 前席のカップルディスタンスは740mmでCX-5と同等とのこと。CX-5の車幅は1840mmなので、CX-30ではより両端に寄せたことになる。

 側突に対する安全性は大丈夫? と心配になるが、マツダの衝突安全性を信じよう。

CX-3に比べ全長で120mm、ホイールベースは85mm長く、前席とのヒップポイント間を広めにとることで成人男性でも余裕を持って座れる後席とされた

 とにかく助手席とのスペースがしっかりあり、後席もシート座面長をしっかりとりながら足元にも余裕。

 ホイールベース、全長がマツダ3より短いのに、このゆとりはなかなかのものだ。

ラゲッジ容量は430L。開口幅は1020mmを確保し、さらに開口部下端の高さを地上から731mmに設定するなど、荷物の積み込みやすさにも留意されている

■安心&安定&快適な走りに驚かされる

 今回の試乗会に用意されたのは122ps/21.7kgmを発生する2Lガソリンエンジンにマイルドハイブリッドシステムが組み合わされた6速ATと、116ps/27.5kgmの1.8Lターボディーゼル+6速MTの2台。

 トランスミッションの多段化が進むなか6速とはどうかな? という心配をしたが、24VのマイルドハイブリッドながらStop&Go、低中速加速でしっかりヘルプがあり、10%以上の急坂が続くホテルの周囲の道も難なくこなしトルク不足は感じない。

 逆に1.8Lディーゼルのほうは、極低回転域のアクセル反応にファジーな部分があるのが少し気にかかる。しかし、中速域のトルク感はディーゼルらしい太さで心地よい。

 試乗はフランクフルトの近郊で、前述したホテル近辺の急坂だらけの市街地、そして100km/h制限の田舎道、さらに速度無制限のアウトバーンと試し甲斐のあるコースだった。

2Lガソリンエンジンをベースに、24Vのリチウムイオンバッテリーを使う「M Hybrid」

 では田舎道での印象。ベースはマツダ3なのでサスペンションのシステムは同じ。

 車高が高くなったぶん、フロントサスペンションのロアアーム取り付け位置をホイール側で変更してロールセンターの位置調整を施している。リアはトーションビームなので車高に関係しない。

 まず感心するのは乗り心地。マツダ3と比較すると若干ハーシュが強めに感じられるが、コンパクトクラスのSUVとしてはトップクラスによい乗り心地。

 フロアの振動もないことはないが、室内が静かなのでほとんど気にならない。シートのクッション性もかなりよいことが貢献。剛性感もしっかりある。

SUVらしい力強さを演出するホイールは18インチのほか16インチも設定

 デザイン優先で見切りは大丈夫かと気になったが、リア側方など窓面積が縦に拡大されているし、前方&側方視界はドアマウントのドアミラーのおかげでかなりよい。

 またチルト&テレスコもストロークがありドラポジも納得だ。

 マツダ3より車高が高くなったぶんハンドリングを心配したが、10%ほどロールは大きくなるがストローク感があり、ステアリングを切り始めた時の応答も速すぎず遅すぎず。

 ドライバーの癖をクルマがいなしてくれるので、なにも考えなくて済む、万人受けする特性だ。

 だから100km/hでの狭い田舎道コーナリングも自然体でこなせ、路面に吸い付くような安心感がある。

 その安心感には速度無制限のアウトバーンでさらに驚かされた。160km/hでも余裕。運転支援のLKAを使わずとも自立直進性が素晴らしい。

 かといってステアリングがガッチリ固まっているわけでもなく、微妙な操作も受け付ける。

 動かすと、その高速でノーズがかすかに反応するから遊びというわけでもない。とにかく安定感が素晴らしいのだ。さらにこの高速域でも室内静粛性がとても高く、風切り音も含め100km/h時と大きく変わらないことにも驚かされた。

 CX-30はパッケージングだけでなく、走りも、快適性もクラストップと断言できる。

伸びやかな印象を与えるフロントまわりの処理もあり、従来のマツダ製SUV以上にスタイリッシュと感じさせるCX-30。気になる日本デビューは今秋の予定だ

*   *   *

 さて、CX-30の気になる発表時期だが、2019年7月30日から事前予約の受付を開始し、メーカーの発表は2019年9月20日頃、発売は2019年10月頃になる見込み。見積書の作成が可能になるのは8月の中旬以降になる見込み。

 このモデルは、CX-3の後継モデルになるのではないかという噂があるが、当初は新型SUV、CX-30の発売で従来のCX-3は継続販売するという形をとる。

 ただ、今後「CX-30が好調に売れ、CX-3が極端に落ち込むような状況が続くようであれば、CX-3はなくなる可能性もある」とマツダ店では予想している。

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