本誌『ベストカー』にて好評連載中の「有名人が語る 私とクルマの関係」。今回は競輪選手、高木佑真(たかき・ゆま)さんの登場だ! 愛車は最高速度260km/h、0-100km/h 4.4秒を誇るミドシップ・スポーツカー「アルピーヌA110S」! 可愛い顔して筋金入りのクルマ好き!!
撮影:山上徳幸/文:相田武将/構成:伊藤明弘
■2017年デビューのフレンチ・スポーツが初めての愛車 高木佑真の素顔は?
トップの男子競輪選手になると年収1億円超えも夢ではない。実際、選手駐車場には、フェラーリをはじめ、高級車がずらっと並んでいる。
でも勝負の世界はそう甘くなく、想像もつかないほどハードな日々のトレーニングや体調管理など、自己責任の世界がそこにある……。
なぜ、今どきの女子がその世界に飛び込んだのか? 佑真ちゃんの愛車がアルピーヌになった理由は? ベールに包まれた女子競輪選手の生活にもクローズアップ!
■スポーツ女子から競輪選手に
「両親は公営競技とは無縁で、ガールズケイリンのことはまったく知りませんでした」
高校卒業後の進路を決めかねていた時、父親の知人からガールズケイリンの存在を知り、レースを見に行くうちに「これだ!」と思ったと言う。
高校3年生の時にガールズサマーキャンプ(現:トラックサイクリングキャンプ)に参加し、その秋に10カ月の競輪学校(現:日本競輪選手養成所)の技能試験を見事一発でパス。
「将来の目標がシッカリ持てたので、養成所生活も苦ではなかったですね」
■競輪選手の1日は?
公営競技となる競輪は、不正防止のためレースがある日は、選手は4日間競輪場に隔離される。もちろん携帯を預けての生活になる。
「レース2時間前からローラーに乗って身体をほぐし、レースのスタート時には最大限の力が出せるように調整します。前日は、体のケアが中心でマッサージ、酸素カプセルは重要ですね」
日々の練習は「朝練は6時30分から。9時から14時までが一部練、ランチ休憩して、19時ぐらいまでが練習時間です。その後、シャワーなどで休憩して自宅に帰れるのは21時過ぎです」。
「練習と試合の連続は年頃の女子には相当キツイですね」と労うと「ファンの方が私を応援して、車券(配当を得るための投票券)を買っていただいているので、裏切れないし、自分も負けると悔しいので」と、その力強い言葉に一流アスリートの風格が見えた。
■レースの疲れを癒やす専用車がアルピーヌ
日々の生活を聞いていたら素朴な疑問が沸き上がった。「アルピーヌに自転車を載せられますか?」。即答で「いえ、無理です(笑)。自転車を運ぶ時は、親のBMW3シリーズツーリングを借りています!」。
車内では音楽を聴いたりしてますか? と聞いたら、
「運転中にあまり音楽は聴きません。窓を開けてエンジン音と風を感じながら、運転自体を楽しんでいます。時間があれば箱根ターンパイクまで行って、このクルマの特性である軽快なハンドリングを楽しんでいますよ」
まるで、筋金入りのエンスージアストだ。佑真ちゃんのアルピーヌは、カーボンルーフでノーマルよりもパワーがある292ps、サスペンションの設定も硬いA110Sである。彼女は、購入する際にはちゃんと2台を比較試乗して足回りのセッティングの違いも把握してのチョイスだった。
クルマ選びは、フォルムの美しさも重要だが、プロのアスリートだからこそ理解できる肌で感じるクルマとの相性が一番大事だと感じている。乗り心地はもちろん、ミドシップならではのハンドリングや1.8Lターボのパワー、安定感が重要だと語ってくれた。
競輪選手が命を託す、競技用自転車と同じ感覚があるようだ。
コメント
コメントの使い方