【トヨタ、日産、三菱…】 ほんとなら2020年「誕生○○周年」だったクルマ 15選

■20周年未遂車│ダイハツ アトレー7(2000~2004年)

●その生きざま・死にざま
 軽商用ワンボックスのアトレーは1999年にモデルチェンジした。本格レジャーにも対応できる快適なセミキャブオーバーワゴンも設定している。が、660㏄エンジンは余裕がない。

 そこで2000年夏にボディを延ばし、3列シート7人乗りとしたアトレー7を投入。トヨタのスパーキーは、これの兄弟車だ。エンジンは1.3Lの直列4気筒DOHCを搭載する。

 2005年にアトレーは新型になったが、ミニバンが増えたこともあり、アトレー7はその前に姿を消した。

●編集部からの鎮魂の言葉
 アジア・オセアニア地域ではこうした小型の7人乗りが多いだけに、モデル消滅は少しもったいない。今でも同様のコンセプトでさらに最低地上高を上げたモデルを展開すれば国籍不明感が漂って局地的なマニアに売れるかも。

■30周年未遂車│ダイハツ ロッキー(1990~1997年)

●その生きざま・死にざま
 ダイハツが「タフト」や「ラガー」の開発で培ってきた4WD技術に磨きをかけ、1990年に登場したのがロッキーだ。

 ライト感覚の都会派4WDのキャッチフレーズで登場した。ルーフの前側は脱着式サンルーフ、後ろ側は脱着式レジントップで、キャンバストップも選べる。

 エンジンは1.6Lの直列4気筒で、駆動方式はパートタイムとフルタイムの4WDだ。ヨーロッパではそれなりの実績を残した。が、日本では今ひとつの人気だったのでテリオスの登場を機に消滅する。

●編集部からの手向けの言葉
 コンパクトクロカンとして先行して登場したスズキ・エスクードと、コンパクトクロスオーバーSUV、RAV4に挟まれるタイミングで登場したことで、販売的にはイマイチ。今なら逆にロシア車っぽい外見で人気を博すかもしれない。

■20周年未遂車│スズキ グランドエスクード(2000~2005年)

●その生きざま・死にざま
 クロスカントリー4WDのエスクードは1997年に第2世代が登場した。ボディはひと回り大きくなり、快適性を高めている。2.5L V型6気筒エンジン搭載車も加わった。

 このエスクードのホイールベースを延ばし、3列シートの7人乗りとしたのがグランドエスクードだ。エンジンは2.7LのV型6気筒を搭載する。

 余裕ある走りが自慢だったが、その当時は3列シートのSUVは市民権が得られていなかった。そのため5年ほどで消滅している。

編集部からの別れの言葉
 搭載していた2.7L、V6エンジンは、初めて乗った時「ずいぶんフリクションが多そうな回り方するなー」と思ったことを覚えている。現在、スズキにはこのテの3列シーターはないが、今のスズキの技術力で同様のモデルが見てみたい。

■10周年未遂車│スバル ルクラ(2010~2015年)

●その生きざま・死にざま
 スバルは軽自動車市場から撤退したので提携しているトヨタグループのダイハツから軽自動車を調達するようになった。ルクラは2010年春に登場したハイトワゴンで、ベースとなっているのはタントエクゼだ。

 ドアは4枚ともヒンジドアを採用し、女性を意識したモデルも用意されている。

 が、2015年春にタントエクゼが生産終了したのを機にワンポイントリリーフの使命を終え、勇退した。ちなみにルクラの後継となったのはシフォンだ。

●編集部からの哀悼の言葉
 正直このクルマに関する記憶は動物の人形のアゴが落ちて、車名の最後を「ラー」と伸ばすCMしか残ってない。そういう意味ではコマーシャル戦略の偉大さを教えてくれたといえる。それ以外だと……、すまん、マジで覚えてない。

*   *   *

 読み進めるにつれ、シンミリとした気持ちになっていただけたことだと思う(どんなだ)。

 昨今は伝統の車名をポイと捨ててしまうメーカーも少なくないが、それをやるとせっかくの「周年チャンス」を逃すことにもなるので、一度付けた車名は、ぜひ大事にしてほしい。名前はひとつの命なのだから(来年結成45年のゴダイゴ風に)。

そのほか2020年がメモリアルイヤーとなるはずだったクルマたち

【画像ギャラリー】非業の運命を辿った“哀車”たち


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