■「六連星を世界一にする」夢を実現するため奔走した久世隆一郎氏
STIの初代社長である久世氏は、同社のモータースポーツ、特に世界ラリー選手権(WRC)の活動で長年スバル側の陣頭指揮をとり、プロドライブとともにスバルを日本の自動車メーカー初、かつ3年連続の年間マニュファクチャラーズタイトル獲得へと導いた。
今回の企画展示は、久世氏をフューチャーしたものがメインとなっているが、報道陣への先行公開には、STI設立から久世氏が引退するまで秘書を務めた佐々木智沙氏も登場した。
そんな久世氏をよく知る佐々木氏に、当時の思い出を少し語ってもらった。
2005年3月に亡くなった久世氏だが、1988年にSTI社長に就任した際は、その成長にかける並々ならぬ思いがあったそうだ。亡くなったあとにわかったのだが、STIの運営に失敗したら腹を切ると、遺書のようなものまで用意して、その「六連星を世界一にする」ことに命を懸けていたという。
そんな久世氏は、企画展の(CUBE #C)に展示されている青いスバルキャップが大のお気に入りだったそうで、これをかぶっているだけで、ほかのチーム関係者から「ミスター久世が歩いてる」と言われるくらいのトレードマークになっていたそうだ。
また、カーボン製のアタッシュケースは、久世氏の几帳面な性格を表すように、手作りの段ボール製の仕切りが付けられていて、眼鏡や書類などをきっちり分けて収納出るようになっていた。
アタッシュケースには無数の傷があり、WRCとともに世界中を駆け巡っていいた久世氏の歴史が刻まれている。

人生をかけてSTIの成功を目指した、久世氏の生きざまを感じられる企画展示。スバルファン必見の内容となっている。
リニューアルオープン後は、来場者の多い土日も営業。STI社員もしくは、歴史や商品に精通したSTIアンバサダースタッフが常駐し対応をしてくれるという。
子どもから大人まで楽しむことができるSTIギャラリーに、ぜひ足を運んでみてもらいたい。
【アクセス】
STIギャラリー
所在地:東京都三鷹市大沢三丁目9番6号
開館時間:10:00~17:00
休館日:GW、夏季、年末年始(日程詳細は公式Webサイトにて告知)
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