月に200店ものディーラーを回り「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今回まずは、全販売店での全車種併売のため販売モデル数を減らす計画を打ち出しているトヨタについて、今後の販売戦略をたっぷりと。
そのほかスバル インプレッサ、ホンダ フリードのモデルチェンジ情報、9月の決算セールの動向などをお届けする。
●【画像ギャラリー】 ハスラー コンセプトモデルほか、話題の車たちをギャラリーでチェック!!
※本稿は2019年9月のものです
文:遠藤徹/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年10月10日号
■トヨタ プレミオ/アリオンは統合で1本化か?
トヨタの小型セダンであるプレミオ/アリオンは2021年にフルモデルチェンジし、その際にプレミオに統合する可能性が高くなっています。
9月17日に登場したカローラセダンが3ナンバー化し、さらに2020年5月にトヨタ車は全車が全系列店扱いに切り替わることで、プレミオ/アリオンはモデル廃止となると見られていましたが、実際は世代交代を機にプレミオに統合して、プレミオは継続させる方針のようなのです。
カローラセダンは今回のフルモデルチェンジで上級シフトしますが、マーケットでは車格はコンパクトカーの上級バージョンの位置づけで、プレミオクラスとは違うとの受け止め方が定着しています。
このためプレミオの次期モデルは、2Lセダンの再構築で対応することが望ましいとのことで世代交代することになったようです。
搭載するパワーユニットは2Lガソリンエンジンと2Lハイブリッドになるものと思われます。
ただし、これはまだ確報ではなく、もう一方で新型カローラセダンをベースにクオリティアップを図った上級バージョンの仕立てになる可能性もあるようです。
■トヨタの姉妹車1本化の方向性が決まる!
トヨタは2020年5月に、トヨタブランドの全モデルを全国の販売店で併売することを明らかにしています。
これに伴い、基本コンポーネンツを共用する姉妹車をひとつのモデルに統合する見込みです。
その方向性はアルファード/ヴェルファイアはアルファード、ヴォクシー/ノア/エスクァイアはヴォクシー、ルーミー/タンクはルーミー、といったように現時点で最も売れゆきのいいモデルに統合される方向になると思われます。
これらの統合は、いずれも2020年いっぱいで踏み切る可能性が高いです。
なお、5~6年で代替えする場合、車名が残るモデルのほうが車名がなくなる車種より10万円以上も下取り額が高くなる傾向があります。
扱う販売店がユーザーに購入する商談の際にその旨を説明しており、このことが現在これら姉妹車の新車販売で明暗を分ける一因になっています。
■アクア、ヴィッツ、パッソは世代交代し継続
トヨタは国内向け販売車種の大幅削減に取り組んでいますが、コンパクトハッチバックモデルのアクア、ヴィッツ、パッソはフルモデルチェンジ後も継続させ、生産販売する見込みです。
今のところ2020年2月にヴィッツは「ヤリス」とネーミング変更してフルモデルチェンジし、アクアとパッソは2021年に一新する方向で次世代モデルの開発プロジェクトが動いているようです。
ヤリスとパッソは1L車がダブるため次期型ではパッソを1L専用車として継続し、ヤリスは1Lターボにして実質1.3~1.5Lをカバーするように上級シフトさせて、コンセプト分けを明確にする方針です。
アクアはハイブリッド専用モデルであり、次期型ではサイズアップして上級シフトさせることで、上級コンパクトに仕立てる方向で開発が進んでいるものと思われます。
コメント
コメントの使い方