2013年7月16日に一部改良を果たしたスズキの軽ハイトワゴン、ワゴンR。「一部改良」と言いながら、その中身はちょっと尋常じゃない。価格は据え置きで4万2000円つければ自動ブレーキも搭載! スズキさん、正直ちょっと怖いです。(本稿は「ベストカー」2013年1月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:編集部/写真:平野 学
■特別仕様車「ワゴンR20周年記念車」も登場
とどまるところを知らない軽自動車の燃費バトル。特に熾烈なのが人気の売れ筋ハイトワゴン系。
ムーヴがJC08モード=29.0km/Lをマークして驚いたのが昨年12月末のこと。今年に入ればデイズ/eKワゴンが29.2km/Lをたたき出して「ハイトワゴン軽トップ」をアピール。
しかし、しかしである! 7月16日にマイチェンしたワゴンR(もちろんスティングレーも)は、な、な、なんと! さらに上回って大台30.0km/Lに達したのだから驚きをとおりこしてめまいがしそう。
そしてプラスアルファでビックリなのが衝突軽減ブレーキ……いわゆる「ぶつからないクルマ」ってヤツを4万2000円でCVT搭載モデル全車にオプション設定したというから仰天もの。
「レーダーブレーキサポート」、「誤発進抑制機能」、「エマージェンシーストップシグナル」、「ESP」がセットになっており、これで4万2000円ですぞ!
ダイハツのやることは全力で乗り越えてくるスズキの意地と瞬発力を思い知らされた思いである。
■燃費改善に“飛び道具”なし!
28.8km/LだったJC08モード燃費を30.0km/Lに高めた技術のキモは……、というと、特別な飛び道具はいっさいない。すでに搭載されている「エネチャージ」や「エコクール」といった低燃費化技術は当然継続採用されているが、特段の変化や進化はないという。
●エンジンフリクションの低減…タイミングチェーンを細幅化して軽量化とともに低フリクション化に貢献
●薄型軽量ラジエターの採用…従来の16mm幅から11.5mmへと約30%薄型にして小型軽量化。フィンの改良により放熱効果は従来同等を維持
●パワートレインの協調制御の進化…副変速機付きCVTをボールベアリング化してフリクション低減するなど、さらに改良するとともに、エンジン制御との協調制御を最適化。よりエンジンの効率のいい回転域を使用することが可能となった。
●空気抵抗の低減…車高を5mmダウンさせるとともにエンジンアンダーカバーの追加により空気抵抗を低減。
ザックリいって以上!
とはいえ、これが地道な作業で高い技術力を要することはいうまでもない。
■4万2000円で「ぶつからないブレーキ」装着可!
こっちにむしろ驚いた。燃費の向上はある意味「当然」とすら思っていたからだ。
赤外線レーザーを使ったセンシングシステムを採用することで、コストとサイズを圧縮したのは先に搭載したムーヴ同様。約5~30km/hがシステムの作動範囲というのもムーヴと同様。
システムを簡略化することで装着費用を安価にするというコンセプトだが、それにしてもムーヴの5万円で驚いていたらワゴンRは4万2000円というのだからさらに驚き!
システムには前述のように誤発進抑制機能やESP(姿勢制御システム)などもセットでパッケージングされている。
とまあ、大進化のワゴンR&スティングレーなわけだけど、価格はワゴンR FRリミテッドで124万9500円。つまり「価格据え置き!」
これに4万2000円プラスすればレーダーブレーキサポートがついて完璧だ!
もちろんスティングレーのターボモデルも含め全車エコカー減税100%で、どうだ(唯一FXの4WD、5MT車のみ75%)。
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