マイチェンによってSUVナンバー1の座を奪還できるか?
C-HRは2019年4月の新型RAV4登場で、SUVナンバー1の座を奪われている。今回のマイナーチェンジよってその座を奪還できるかどうか注目したいところ。
RAV4はC-HRよりも20万~80万円も高いアッパーミディアムモデルだから、ごく普通に考えればC-HRの方が量販では優位であり、トップセラーへの返り咲きは直ちに可能と予想できる。
しかしながら今回はそう簡単には奪還できないだろう。RAV4の人気はまだ衰えをみせておらず、納期が3ヵ月待ちの状態で多数のバックオーダーを抱えており、増産し供給状況は良くなっているので当面は高水準の販売推移となる見通し。
対するC-HRは2019年10月中旬現在で改良モデルの生産は本格化しておらず、成約車の納期は2019年12月中旬以降になっている。
従来モデルの在庫はハイブリッド車がまだかなり残っており、1.2Lターボはすでに売り切っている。つまり供給状態が完全ではないため本格的な反転攻勢は2020年に入ってからと思われる。
RAV4は現在、全国規模ではカローラ店とネッツ店の併売でスタートしている。
これが2020年5月からはトヨタ店とトヨペット店も加わり「トヨタモビリティ」に1本化され、RAV4へのセールスパワーは倍増に拡大するので、新型車効果に多少ブレーキがかかるものの当分は高水準の販売がキープできる可能性がある。
今回のマイナーチェンジではフロントを中心としたエクステリアデザインの一新で見映えが良くなり、走りも1.2Lターボに6速MT車やカスタマイズモデルのGR SPORTSの追加などで10%以上の上乗せ効果が期待できる可能性がある。
これら新規設定車自体はそれほど拡販に貢献できなくても、ユーザーの来店増加で商談機会が増えるので、これによるシリーズ全体の販売増も期待できるはず。最近の量販モデルは新型車発売後3年経過でビッグマイナーチェンジするケースが多い。
コンパクトミニバンのシエンタは2018年9月にビッグマイナーチェンジし、2列シート5人乗り車を加えるなどして、商品ラインアップを強化したことで、以降好調な販売に転じている。
最近はフルモデルチェンジに匹敵する販売ボリュームとなっている。この結果、シエンタは登録車での販売ナンバー1を2019年8~9月で連続して確保している。C-HRが同じような人気回復を図ることも十分に考えられる。
ただ、SUVカテゴリーは今後ニューモデルラッシュが続く。2019年11月5日に新型コンパクトSUV、トヨタライズ&ダイハツロッキーを発表、発売。
2020年中盤にはハリアーを発売予定。ほぼ同時期に日産がエクストレイル、年末にはホンダヴェゼルをそれぞれフルモデルチェンジするので、トップセラー争いは激化する。
こうしたなかで、RAV4からナンバー1の座を奪還することはなかなか厳しいが、RAV4がある程度顧客に一巡する、2019年末から2020年中盤にかけて、再びSUVナンバー1の座を奪還するのではないだろうか。
最後にC-HRがRAV4からSUVナンバー1の座を奪還するのか、トヨタの営業マンはどう見ているのか直撃してみた。
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