【スバル360、フォード…】三本和彦「私を唸らせたクルマ」について

オーナーの立場から選ぶベストはスバルの軽自動車

 続いて編集部からオーダーが入りました。「所有したクルマのベスト・オブ・ザ・ベストはなにですか?」だって。これまた難しいですね。つまりオーナー目線でベストを選べというわけです。

 以前から日本の軽自動車はいいですよ、特にスバルの軽自動車がいいと評価してきました。実際に2年ほどスバル360に乗っていましたが、燃料は食わない、耐久性はある、そしてスピードも出る。もちろん税金が安い。

 ただ後から考えると、小さいしホイールベースが短いからデコボコ道には弱かった。当時の道路状態は酷くて、路面が悪いと迂回してました。それを差し引いてもスバルの軽自動車はいいと思ったねえ。

 もちろん、ほかに所有したクルマで乗り心地がよかったり手がかからないクルマはありましたが、誰にでもすすめられるのがスバルでした。

 ただし、富士重工のアフターサービスはいただけなかった。今でこそスバルも販売網がしっかりしていますが、当時はどこでサービスしてもらえるのかわからない。これには苦労させられて、2年で買い替えました。

 でも、軽自動車のよさに味をしめて、スバルの次にマツダR360にも乗りました。これも楽しいクルマでしたよ。

 しかし、スバルは軽自動車の自社生産をやめてしまいました。スバル360を大ヒットさせ、日本の軽自動車の基礎を作ったスバルですから、もう一度燃費がよくて頑丈でよく走る軽自動車を作ってほしいものです。

1958年デビューした「スバル360」。空冷2ストロークの2気筒エンジンをリアに横置きし後輪を駆動させるRRレイアウトを採用した軽自動車。価格を抑えるため簡素な室内だったが当時は居住性も高く人気で1970年の生産終了まで累計約39万台を販売した<br><br>
1958年デビューした「スバル360」。空冷2ストロークの2気筒エンジンをリアに横置きし後輪を駆動させるRRレイアウトを採用した軽自動車。価格を抑えるため簡素な室内だったが当時は居住性も高く人気で1970年の生産終了まで累計約39万台を販売した


三本和彦
 1931年生まれ、東京都出身。東京写真大学(現在の東京工芸大学)写真技術科を卒業後、1956年より東京新聞に入社。その後フリーのモータージャーナリストに転身し、ベストカーを始めとするさまざまな自動車雑誌に寄稿、TV番組の司会なども務めた。現在はベストカーで月に1度「金口木舌」の連載を執筆している。

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