トヨタ、日産などのメーカーが開発する“基礎技術”に注目 今年伸びるのは?

2017年“基礎技術”を磨いたメーカーが伸びる

 2016年はトヨタのTNGAやスバルのSGPなど、新世代プラットフォームの実力が世に知られた年だったが、エンジンやパワートレーンだってサボッてるわけではない。

新型インプレッサに初搭載されたスバル・グローバル・プラットフォーム。分かりやすい先進技術ばかりに目がいきがちだが、クルマの基礎となる技術も地道な進化を遂げている
 
新型インプレッサに初搭載されたスバル・グローバル・プラットフォーム。分かりやすい先進技術ばかりに目がいきがちだが、クルマの基礎となる技術も地道な進化を遂げている  

 12月にトヨタが新世代パワートレーンの技術発表をやったけど、もはや熱効率40%は当たりまえ、ミッションだってFFで8速、FRは10速、ハイブリッドシステムも副変速機付の新世代が用意されていた。

 技術的なトレンドは、高圧縮比、4-2-1エキゾーストなど、マツダがやってきたSKYACTIVに近いものがあったけど、打ち込みバルブシートをやめて異種金属をレーザーで溶着する「レーザークラッドバルブシート」など、トヨタでなくちゃ量産化できないハイテクも満載。

 少なくとも、トヨタはまだまだ内燃機関の改良を徹底的にやるつもりだな、という「ホンキ度」はビシビシ伝わってきた。

 逆にいえばトヨタがホンキである以上、ライバルメーカーもきちんとしたプラットフォームやパワートレーンの革新をやっていかないとヤバイってこと。

 欧州ではまだ例のVWディーゼル問題がくすぶっていて、その打開策としてパリショーではVWをはじめとした各メーカーの「EVシフト」が話題になったけど、

 今後10年以内に既存の自動車メーカーがEVで食っていけるようになるとは、ぼくにはとうてい思えない。

 地味だけど、クルマに関わる基礎技術をもう一度きちんとブラッシュアップしよう。2017年はそういうマジメなメーカーが伸びるような気がする。

こちらはトヨタが発表した新型のFR用10速AT。従来6速AT比で回転時のクラッチの損出トルクを約50%低減しているという。新型LSにもこの10速ATが搭載される
 
こちらはトヨタが発表した新型のFR用10速AT。従来6速AT比で回転時のクラッチの損出トルクを約50%低減しているという。新型LSにもこの10速ATが搭載される  

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