かつての「わかりやすい特徴」はもう通用しない
そんなわけでパトカー界では圧倒的多数派のクラウンなんですが、では覆面交パの特徴は……というと、これがなかなか難易度高し、なのでありますよ。
現行型S210系の特徴はあとで記すことにして、まずはまだまだ主流派のS180系、S200系について特徴を挙げていきます。
・ロイヤル顔である(この2形式についてはアスリート顔の目撃報告例はない)
・トランクリッドの「RoyalSaloon」エンブレムがないのがデフォルト
・だがしかし、警察本部や配属先でエンブレムを装着した個体も多数ある
・200系についてはシャークフィンアンテナではなくユーロアンテナ
・リアウィンドウのスモークがやたらと濃い(これは指示を表示する電光掲示板を目立たなくするため)
ま、こんなもんです。昔のバレバレ覆面パトカーのように、「8ナンバー」だとか「鉄チンホイール」だとか「最廉価仕様のペラペラサイドモール&ボディパネルにやたらボリューム感ある3ナンバーバンパー装着」などといった、分かりやすくて特徴的な外観ではありません。
もちろん助手席側Aピラーに補助サイドミラーなんて付けている覆面交パなど皆無。アレを付けているのは要人警護車だけですね。
2段式ルームミラーっていうのも最新型では助手席用が小型化されていて目立たなくなっており、パッと見てわかるってことはまずないです。
正直、外見からパッと見て「あ、あれ覆面交パだ!!」と見分けるのはかなりの修行が必要ってことですな。
ボディカラーだって昔は黒とかシルバーが定番と言われていましたが、現代の覆面交パには純正設定色だったら何でもアリ、と思っておかねばならない状況です。
それでもあえて外観上の特徴を言えば……ルーフにピョコっと飛び出してくる赤色灯(反転式警光灯)のためのフタ部分の切れ込みがあることと、フロントマスクのどこかに赤い点滅灯(前面警光灯)が仕込まれているってことでしょうか。
前面警光灯はS180系ではパンパー下部、ナンバープレート両サイドの目立たない部分にオートカバー式の長方形ランプを仕込んでいるタイプが多く、
これは注視すれば「ン!? なんかヘンだぞあのクラウン……」と感づく人もいたけれど、S200系ではフロントグリル内部に小型化されたLED式のランプがビルトインされていて、これがまず目立ちません。
正面から日射しを浴びたりすると、奥になにやら見えることもありますが、昔の覆面交パの集光式前面警光灯のように反射板やレンズを使っているわけではないので、直射日光が当たってキラリと輝くわけでもない、と。
「外観上の特徴」ではなく、「◎◎」を見て判断しましょう
ここまでで本文が終わっちゃあ、本記事がタイトル倒れってことになってしまいます。修行を積んだパトマニアともなれば、かなりの高確度で覆面パトを見分けることができるわけで、以下、その奥義を伝授いたします。
・ナンバーの地域名が現在地の地元及び隣接地域である
・高速道路では左車線を比較的ゆっくりと流している
・2名乗車である
・やたらとカッチリした動きをする
・車体がキレイに洗車されていて、しかも妙に無機質
そう、パトマニアはクルマの特徴からではなく、動き方や使われ方から覆面交パを見極めているのです。これを実際のドライブ中の様子の再現から見てみましょう。東名高速道路、秦野中井インターチェンジあたりを走っている場合……。
「おっ、クラウンだ。もしかしたら覆面パトじゃないか!?」
「どれどれ、ちょっと様子を見ますか……。リアガラス真っ黒だし、これは匂うなぁ。90km/hで走るトラックの後ろを、車間距離たっぷり開けて淡々と走っているし」
「おっ、追い越し車線を飛ばすクルマが来た!!」
「あー、警戒もせずに驀進するの〜!?」
「おおっ、クラウンが右ウィンカー3回点滅後、ギュッと尻を沈ませて加速体制。スパッと車線変更して真ん中車線を追い上げていくぞ!!(大興奮)」
「あっ、驀進車が速度を落として真ん中車線に戻った」
「クラウンも速度を落として左車線に戻ったなぁ……。左ウィンカー3回点滅後にスッと」
「 どれどれナンバーは……川崎かぁ。これは間違いないねぇ」
「また来た!! 今度は速いぞ!! 追い越し車線を凄い速度でかっ飛ばし!!」
「行くぞ行くぞ!!」
「一拍おいて3回ウィンカーで真ん中車線からイッキに追い上げ。斜め後方の死角に陣取って2〜3秒……」
「ホイ、赤上がった〜!! お疲れさまでしたー!」
ま、こんな感じで見分けておるわけです。取り締まりを認知した違反車ドライバーはブレーキを踏んで観念。
前に回り込んだ覆面パトはリアトレイ上に寝ている電光掲示板を起立させて、「パトに続け」と表示。
助手席警官が窓からニンジン出して、後方警戒しながら左車線へと誘導。中井PAへと誘導されていくのでありました……、というパターン。
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