日本では未だ根強い5ナンバー需要
ところで、そもそも5ナンバーサイズという小型車の規定がいつ頃より施行されたかをご存じだろうか。その歴史は、なんと昭和33年まで遡る。東京タワーが完成し、スバル360が世に送り出された年だ。
この時代より全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0m以下という決まりに変更はないため、5ナンバーサイズに固執するのは、やや時代遅れにも思えてくる。
しかし、最大のネックは、時代は流れても、元々小さなサイズで事足りていた過去の名残が現代まで残ってしまったこと。日本特有の小さな駐車場と狭い道路などだ。
こればかりは、すべてを成長するクルマに合わせていくことは困難である。それだけに、今なお強い5ナンバーサイズ信仰があるのだろう。
特にママさんユーザーが多い車種ではその傾向が見られ、シエンタやフリードは5ナンバーサイズであることを守り、ミニバンの主流となるノア、ヴォクシー、ステップワゴン、セレナも5ナンバーを基本としているのはこのためだ。やはり日本では、まだ5ナンバーサイズのニーズは大きいといえる。
取り回しに重要なのは“幅”よりも“長さ”
さて話を戻そう。国産車を含め、クルマのサイズアップは避けられない。しかし、小型車が小型車でなくなってしまっては本末転倒である。
では、ポロが属するBセグコンパクトに的を絞った場合、どのくらいの大きさが日本で適正なのか。そこで日本のBセグコンパクト(フィットやデミオ、ノートなど)を見てみると、全長4m程度、車幅は1.7m以下が基本だ。
この辺りが、やはり一つの指標となるだろう。そう考えると、ポロの全長は、デミオとほぼ同等であるため、まだその範疇にあるといえる。やはり取り回しには全長の影響が大きいからだ。
おそらく、VWもサイズ拡大によるネガティブなものとしないように取り回しや運転感覚は、旧型に近いものに仕上げてくるはずだ。
結果としてポロは、Bセグとしての最大値に近づいているとはいえそうだが、期待を裏切ることもないはず。今は、その答えを持つ新型ポロの上陸を期待を込めて待つしかない。
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