ついに先日ドイツでベールを脱いだ新型ポロは、外観もさることながらサイズも“ゴルフ化”が進み、ついに初の3ナンバーサイズに。
日本ではノート、フィット、デミオ等が5ナンバーを守るいっぽう、同クラスの輸入車は、これでほぼ3ナンバー化した。こと日本において、コンパクトカーに3ナンバーのボディは必要なのか? それとも日本市場はまったく相手にされてないのか??
コンパクトカーの車両サイズと実力について考察しました。
文:大音安弘/写真:編集部、VW、TOYOTA、MAZDA
まるでゴルフ? 3ナンバー化した新型ポロ
6月16日、ドイツ・ベルリンにて、フォルクスワーゲンを代表するコンパクトカー、ポロの最新モデルがワールドプレミアされた。
6代目となる新型は、ゴルフやティグアンなど最新世代のフォルクスワーゲン同様に、生産モジュールMQBを採用。エッジの効いたスポーティなスタイルは、まさにミニゴルフといった感じだ。
現時点で明らかにされたトピックだけでも、200psを発揮するGTIの設定や381Lまで拡大されたラゲッジスペース、歩行者検知機能付き自動ブレーキの標準化など様々なものがあるが、どうしても見過ごせない点がひとつある。そう、ボディサイズの拡大だ。
新型ポロの寸法は、全長4053mm×全幅1751mm×全高1446mmと、ついに脱5ナンバーサイズに(※5ナンバー枠は全長4,700mm、全幅1,700mm、全高2,000mm、総排気量2.0Lまで。このいずれかひとつでも超えると3ナンバーとなる。もちろん日本の独自基準)。
この寸法は、ゴルフ3程度だと思ってもらえれば分かりやすい。
正確に言えば、ゴルフ3以上ゴルフ4未満なのだが、ウエスト(車幅)だけは、ゴルフ4よりポロのほうが上だ。もっともゴルフ譲りのスタイルを見て、ダイエットに成功し、より使いやすいゴルフが生まれたと前向きに受け取る人もいるだろう。
しかし、何処でも扱いやすいサイズが5ナンバーという、ひとつの指標を持つ日本人にとっては、ちょっと複雑な思いにかられてしまうのも確かだ。ポロもついに3ナンバーなのかと……。
気が付けば輸入車Bセグメントは、既に3ナンバーが基本。残すは、FIAT500とVWポロだけとなっており、これでポロの離脱が決まったわけだ。
コンパクト肥大化の背景にはSUVブームも
なぜ輸入車コンパクトは拡大の一途をたどるのだろうか。それには、衝突安全性能(特に側面衝突性能)の向上、キャビンの拡大、そして、デザイン性の追求などの理由が考えられる。
これはコンパクトカーが高性能となり、1台で多くのことを賄えるようになったことで、ニーズも多様化。それと同時にユーザーがこれまで以上の広さや快適性、安全性の向上を望み、メーカーもそれに応えようとしたからだろう。
また、シティコミューターであるAセグメント(パッソ/ブーン、ルノー トゥインゴ等が該当)の成長による下支えに加え、昨今のSUVブームにより、ある程度のサイズアップを寛容に受け入れる風潮も生まれたようにも思える。
SUVを名乗る以上、力強いデザインや機能的なキャビンなどはマストだからだ。
日本でもコンパクトクロスオーバーを例に挙げると、アクアに追加されたアクア クロスオーバーやデミオと基本を共有するCX-3のどちらも3ナンバーとなっている。
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