【シエンタとフリードどっち買う? 】ハイブリッドというだけでは売れない時代がやってきた

■ホンダのフリードとトヨタのシエンタはどうなの?

文:渡辺陽一郎

 この2車でハイブリッド比率を比べるとフリードの割合が多い(フリードのハイブリッド比率は44.4%、シエンタは36.2%)。

 ホンダはステップワゴンの販売が低調で、売れゆきはトヨタ・ヴォクシーの半数程度。上級指向のユーザーもフリードを購入しており、ハイブリッド比率を高めた。燃費計測の結果もフリードハイブリッドが優秀だから、この選び方は正しい。

 ガソリン価格が1L:130円として、計測結果から1㎞の走行コストを割り出すと、シエンタハイブリッド仕様が6.7円、同ガソリン仕様が8.7円(差額は2円)になる。フリードは5.8円/7.6円(同1.8円)だ。

 シエンタは、装備差を補正してみるとハイブリッドの価格がガソリンよりも約35万円高いことになるが、減税額の違いで実質29万4000円に縮まる。

 この差額を前述の燃料代の節約で取り戻せるのは、15万㎞を走った頃。

シエンタとフリード。同カテゴリーの同クラスで、どちらもガソリンとハイブリッドのグレードを用意している
シエンタとフリード。同カテゴリーの同クラスで、どちらもガソリンとハイブリッドのグレードを用意している

 フリードはハイブリッドにLEDヘッドランプなどが標準装着され、装備差を補正した差額は約28万円。減税額の違いも差し引くと実質22万4000円になる。

 この差額を燃料代の節約で取り戻せるのは12万kmを走った頃だ。シエンタよりも3万km短い。1年間に1万5000kmを走れば、ハイブリッドとの差額をシエンタが10年、フリードは8年で取り戻せる。

 そこに走りの違いも加える。シエンタとフリードは車両重量が1300kgを上回り、1.5Lエンジンでは回転数が下がった時に力不足を感じやすい。ハイブリッドはこの欠点をモーターで補い、走りが滑らかになる。車両重量の差で乗り心地も快適だ。

 特にフリードは全高が1700mmを上回り、安定性を確保するために操舵感を穏やかに仕上げたからハイブリッドとの相性がいい。減税額を加味した差額が22万4000円に収まることを含めてハイブリッドを推奨する。

 シエンタはフリードに比べると車両の動きが機敏で差額も29万4000円に達するからガソリンとの相性がよい。それでも静粛性を重視するならハイブリッドを選ぶ余地がある。

 結論。フリードはハイブリッド車。シエンタはガソリン車がお薦めだ。

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