世はなべてハイブリッドカー全盛期。初代トヨタ・プリウスが発売されてから約20年、専用車だけでなく、多くの車種に(純ガソリン車グレードと並んで)ハイブリッド仕様が用意されるようになりました。
そのいっぽうで、「ハイブリッド=売れ筋車」でもない……という現象も多く見るようになりました。
先般お伝えしたフィット、C-HRらを買うなら、ハイブリッドを選ぶべき? それとも純ガソリン仕様? という企画が成立するように、「純ガソリン車を選んだほうがいい車」がたくさんあるのも事実。
ではその「境目」はなんなのか。ハイブリッドグレードよりも純ガソリン車のほうが魅力的な車種の特徴ってどんなの? そして販売比率がほぼ五分五分のホンダフリードとトヨタシエンタは、どっちを選ぶべき??
文:ベストカー編集部
2017年9月26日号
■「ハイブリッド」という言葉にはまだ神通力はあるのか
文:ベストカー編集部
10年ほど前であれば、ハイブリッドというだけで圧倒的な販売競争力を持っていたのだが、現在ではエコカー減税の縮小もあり、ハイブリッド車の優位性は小さくなった。
特にヴィッツやフィット、カローラアクシオのように、社用車や営業車などとして販売されるケースが多いモデルでは、低価格のガソリン仕様グレードが販売の多くを占めることもあり、ハイブリッドモデルの販売比率が低くなる傾向がある。
◎ヴィッツのハイブリッド比率 約33.0% ガソリン仕様との価格差約28万〜34万円
◎フィットのハイブリッド比率 約45.6% ガソリン仕様との価格差約39万円
◎カローラアクシオのハイブリッド比率 約36.5% ガソリン仕様との価格差約40万円
アルファード/ヴェルファイアも12~20%程度と圧倒的にハイブリッド比率が低い車種だが、売れ筋の2.5Lガソリンエンジン車(FF)に対して、ハイブリッドはリアモーター駆動の4WDとなることもあり、約92万円高となることが大きく影響しているのだろう。やはりハイブリッド比率が13.1%と低いハリアーも同様の理由と考えられる。
いっぽうクラウンは約75%がハイブリッドグレードとなるのだが、ロイヤルではV6、2.5Lとの価格差が約55万円となるところに加えて、ハイブリッドがもたらす新鮮なドライブフィール、圧倒的な燃費メリットが大きく影響している。
アスリートには直4、2Lターボもラインアップされ、クルマ好きには気になる存在だが、やはり多くのクラウンユーザーにとってはハイブリッドのもたらす燃費のよさと直4のネガをモーター駆動が打ち消すドライバビリティが魅力となるのだ。
世の中にはまだまだ依然として「ハイブリッド」という響きにある程度の神通力はあるものの、すでにそのピークは過ぎており、今は「なんのためのハイブリッドか」、「ハイブリッドであることのメリットは、ハイブリッドであることのデメリットに比べて大きいのか」ということが冷静に吟味されている時代になったといえる。
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