■自動運転や高齢化でもホンダの独自性が活かせる?
電動化に加え、自動運転においても、ホンダの独自性や独創性を活かせる可能性があるのではないか。
ホンダは、基本的には商用車は作らずパーソナル・モビリティのメーカーだと自らを語る。そのなかで、たとえば2輪と4輪という組み合わせの延長として、電動車椅子を生み出すことはできないだろうか。
高齢化が進み、また障害を持つ人の社会進出を促すうえでも、電動車椅子やセニアカーのような、福祉のための車両開発にホンダの創意工夫がもっと活かされてもよいと思う。
セニアカーは、スズキが継続的に販売を続けているが、ホンダもかつてセニアカーを開発したことがある。
また、車椅子の多くは人が手で動かすものが主体だが、高齢になったり、障害の状況によっては、電動であることが生活の自立を促すことにつながっていく。一人で外出できることが生きがいとなり、健康寿命を延ばすことにもつながるはずだ。
電動車椅子にはバッテリーが必要で、新品のリチウムイオンバッテリーを使ったのでは高価になり過ぎる。だが、EV廃車後のバッテリーであれば安価に手に入れられ、なおかつ既存の鉛バッテリーより高性能、かつ寿命も長く、電気切れの心配をせずに行動範囲を広げられる。
VtoHといった高度なシステムだけでなく、電動車椅子という視点を持てば、ここでもEVと高齢者、障害を持つ人とのつながりが生まれる。車椅子は、黒くて実用的な見栄えが普通だが、たとえばホンダがF1第一期でマシンを彩ったアイボリーに赤でHを書かれた電動車椅子に乗れるとしたら、心躍るのではないか。
そこに自動運転が加われば、高齢者や障害を持つ人が一人で遠出もできるようになる。極端にいえば、目の不自由な人でも一人で外出できるようになるのである。
■「万人の自立した暮らしと夢を実現できる」のはホンダならでは
以上のような総合的な広い意味での未来のパーソナル・モビリティにより、万人の自立した暮らしと夢を実現できるのは、2輪・4輪・汎用事業を持つホンダならではではないのか。
もはや規模をあえて追わないとするホンダであるなら、夢の力を存分に発揮する総合モビリティ企業となって欲しいし、そうすれば、自主独立を守れるのだと思う。
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