シビックタイプRはどこへ行く? 次期型はツインモーター400psで4WD!?


 タイプRはホンダの走りのDNAが注入されたホンダのシンボル的ブランドとしてクルマ好きを魅了している。現在唯一販売しているのはシビックタイプRのみだ。

 そのシビックタイプRは1月に開催された東京オートサロン2020で今夏のマイチェンが公表されたが、コロナ禍の影響で発売は若干遅れている。

 今回テーマにするのは、そのマイチェンモデルではなく次期モデル。次期シビックタイプRは4WDになるとの噂も出ている。タイプRが4WDとなっていいのか? シビックタイプRはどこへ向かうのか? ということについて松田秀士氏が考察する。

文:松田秀士/写真:HONDA、MERCEDES-BENZ、RENAULT、ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部

【画像ギャラリー】ホンダのDNA継承 初代登場から早23年が経過したシビックタイプRの歴代モデルをフラッシュバック!!

初代から数えて現行が5代目

 まずアレコレ検証する前にシビックタイプRにつておさらいしておこう。

 初代シビックタイプRは1997年にNSXタイプR、インテグラタイプRに次ぐ3番目のタイプRとしてデビュー(EK9型)。1.6L、直4DOHC VTECはリッターあたり100psを軽く超える185psをマーク。トランスミッションは5MTのみの設定だった。

初代シビックタイプRは1997年にデビューして若者を中心に大ヒット。街乗り、ワインディング、サーキットとオールマイティに楽しめた

 2代目(EP3型)は日本で販売していない3ドアハッチバックをベースとし、イギリスで生産されたクルマ輸入する形で販売された。この2代目ではエンジン排気量が2Lとなり、現在までそれは変わらない。

 3代目はシビックタイプR初のセダンベースで開発された(FD2型)。ガチガチに固められたアシによる乗り心地は劣悪と表現されるほどのレベルだったが、サーキットスペシャルに仕上げられたモデルだった。

シビックタイプR史上唯一のセダンボディの3代目。サーキットスペシャルのようなガチガチに固められたアシによる乗り心地は超ハードだった

 ここでいったんシビックタイプR系譜は途絶えた。3代目が消滅したのが2010年で、4代目(FK2型)がデビューしたのは、2015年。その間に欧州版3ドアハッチバックをベースにしたタイプRユーロは存在したものの、純然たるタイプRは約5年間のブランクがあった。

 4代目はシビックタイプR史上初めて限定販売となり、750台に対してオーダーが殺到し、その倍率は恐ろしいまでになった。ちなみに750台というのは後述するが、ニュルブルクリンクでのラップタイム7分50秒台に起因している。

 そして5代目の現行(FK8型)は2017年から日本での販売を開始し、2020年秋にはマイチェンモデルが登場することになっている。

シビックタイプRの転機はズバリ4代目

 2015年に登場したシビックタイプRは、初代から3代目までのシビックタイプRとはまったく違うコンセプトで開発が進められた。

 3代目まではエンジン、車体にスペシャルなチューニングを施し、走る楽しさを追求したモデルだった。対象となるのはストリート、サーキットであったが、ライバル云々ではなく自らを鍛え上げることが第一義にあった。

ニュルブルクリンクの北コースでFF最速を目指して開発が進められた4代目はこれまでで唯一限定販売。世界ツーリングカー選手権でも活躍

 それに対し4代目はライバルに対する敵対心をむき出しにしたのが特徴だ。「ニュルブルクリンクの北コースでFF最速を目指す」というコンセプトで開発が進められた。

 この頃のホンダは無難なクルマ作りで、「ホンダがつまらなくなった」とファンは落胆していたが、シビックタイプRでホンダの熱い情熱が復活したのだ。

 ニュルブルクリンクの北コースでのFF車によるタイムアタックは熾烈を極め、セアトレオン、ルノーメガーヌRS、VWゴルフGTI、そしてシビックタイプRが入れ代わり立ち代わり最速ラップを更新。

シビックタイプRと火花を散らす熱いタイムアタック合戦を展開しているルノー。現在FF最速はルノースポールRSトロフィRとなっている

 4代目でも、現行の5代目でもシビックタイプRはFF最速の座を手に入れたが、それをまたライバルが更新していき、2020年8月現在で最速タイムは2019年7月にルノーメガーヌRSトロフィRがマークした7分40秒10となっている。

 まだ発売前のシビックタイプRの限定車リミテッドエディションが鈴鹿サーキットでFF車の最速をマークしたとホンダが発表したが、その前のレコードホルダーはルノーメガーヌRSトロフィRだったのだ。ニュルでの最速争いもさらにヒートアップするはずだ。

 フィールドは違うが、かつてランエボとインプレッサが毎年のようにエボリューションモデルを出して、お互い切磋琢磨していたのと同じで、そういうメーカーの姿勢にファンは胸を熱くするのだと思う。

マイチェン後のタイプRに設定される限定車のリミテッドエディションは、すでに鈴鹿サーキットのFF最速タイムをマークしている

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