首都圏の渋滞、年始でも「下り」が混み始めた理由
年が明けた1月2日の午前中。筆者は車で東名の東京ICから下り方面に向かった。首都圏の高速道路の「上り」は、年始に渋滞が集中するはず。ところが、いざ東名を走り始めると、よもやの大渋滞。
なぜ、年始に「下り」が混んだのか? これは、直近5年ほど前から見られるようになった傾向だと、花房氏は解説する。
「たしかに、従来まで“下りは年末の29〜30日、上りは年始の2日”が渋滞集中日でした。でも、1月2日は、今や上り下りどちらも渋滞するようになってきたんですね。ここ5年間ほどで見られるようになった傾向です」
「なぜ年始に下りも渋滞するのか? これは名古屋などに帰る長距離利用者に加えて、圏央道が繋がり、利便性が向上したことで、“埼玉から富士山を見に御殿場へ”といった短距離利用者が増加したことが大きいでしょう」
こうして首都圏、特に東名では「年始に下りも混む」が、年末年始渋滞の新傾向として定着しつつある。
年末年始渋滞は今後変わるのか?
では今後、年末年始の渋滞を解消する特効薬はあるのか? 「渋滞は、大和トンネルを先頭に……」というフレーズでおなじみ、全国有数の渋滞名所、東名の大和トンネル(神奈川県大和市)は、2020年までに片側4車線化(従来は3車線)される予定もある。
これが渋滞解消へどこまで効果を持つものなのか? 花房氏の解説は次のとおり。
「大和トンネル付近は約5kmに渡って、上下線に付加車線を設けます。これによって(各車線ごとの)交通量が分散するでしょう」
「(過去に)海老名JCTのランプ部を2車線化した際も、外回りでは渋滞が解消し、内回りでも渋滞が半減した例があります。ですので、大和トンネルでも、渋滞緩和がある程度見込めると判断しています」
さらに、車線追加の効果次第で「付加車線をさらに伸ばすという議論もあるでしょう」という。
年末年始の渋滞という風物詩は今後も変わらず存在するだろう。ただし「日本一の渋滞名所」の景色は、3年後には少し変わっているかもしれない。
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