■焦点6 完成検査問題の影響を払拭するのは次期フォレスター
昨年のスバルの新車販売は前年に比べて約15%の伸びと好調でした。リード役を果たしたのは、2016年10月にインプレッサ、昨年4月にXV、それぞれがフルモデルチェンジしてフルに寄与したことが挙げられます。
インプレッサはXVと同一モデル群にカウントされ、1~11月の販売累計では前年同期比80%増と驚異的な伸びとなりました。一時は登録車名称別販売ランキングのトップ10に浮上するほどでした。
しかしながら、昨年11月以降、10%以上のマイナスに転じています。完成検査の不正発覚とそれに伴うリコール発生の対処で販売にブレーキがかかっているためです。
対象モデルにはキャッシュバックの対応などでカバーしていますが、これが今年の新車販売の足かせになる可能性があります。そのため、年間では10%前後のマイナスになることが予想されます。
これをカバーするのは秋口までにフルモデルチェンジする次期型フォレスターです。
新開発のスバルグローバルプラットフォームにパワーユニット&足回りのクォリティアップ、安全パッケージではアイサイト・ツーリングアシストを装備します。(遠藤)
■焦点7 好調なものの勢い失ったか、マツダ!?
マツダの2018年は試練の年になります。昨年はようやく前年並みを確保しましたが、今年は15%程度のマイナスが予想されます。
販売を牽引する新規&フルモデルチェンジ車の投入が少ないからです。昨年12月に発売した3列シートの新型SUV「CX-8」は計画を上回る受注のスタートを切っていますが、絶対的な台数が月販1000台そこそこですから、パンチ力にかけます。
スズキからOEM供給を受けている「フレアワゴン」は昨年12月下旬にフルモデルチェンジし、2月上旬から発売開始します。
こちらも増加しますが、月販1000台そこそこにとどまる見通しで、全体をリードする力にはなれないと思われます。最も期待が持てそうなのは2016年12月に一新、昨年2月に発売した新型CX-5です。
多数のバックオーダーを解消するため、昨年10月に増産したことで以降の登録台数は急増傾向にあり、これが今年前半の新車販売にフルに寄与するはずです。
昨年末にデミオ、今年は2月にCX-5が一部改良、春にはアテンザがビッグマイナーチェンジするので、これらが多少は今年の新車販売の回復に貢献しそうです。(遠藤)
■焦点8&9 ダイハツ、スズキの軽自動車2トップの行方はいかに?
昨年1~11月の軽自動車届け出台数は、ダイハツが1位で56万台、スズキが52万台、ホンダは32万台だ。ホンダは先代N-BOXを2011年に発売して、2012年に対前年比が257%になり、その後の5年間は安定的に成長してきた。
ダイハツとスズキが意識するのはトップ2社同士の販売合戦だ。スズキは軽自動車販売の1位奪回を狙う。ダイハツは将来的な軽自動車税制の変更と販売縮小を視野に入れ、小型車販売の基盤も固めたい。
ダイハツは軽自動車では1位でも、小型/普通車を含めた販売総数はトヨタ/ホンダ/スズキに次ぐ4位になる(日産は5位)。今後は総台数でもスズキを超えたい。
それでもホンダのことは気になる。特に埼玉県や三重県では、ホンダの軽自動車が最も多く売れている。
またスライドドアを備えた車種では、N-BOXが圧倒的な売れ筋だ。今はこのタイプが急増して、2011年は軽自動車全体の21%だったが、2017年は41%まで増える見込み。
そのためN-BOXの比率がいっそう高まる可能性が強い。2019年には新型N-WGNがN-BOXと同等の機能を備えるから、ダイハツやスズキも車間距離を制御できるクルーズコントロールなどで商品力を高めてくる。
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