革新の大胆フォルムで登場した「ワンダーシビック」
FF、2ボックスの先駆車であり、世界で最初にマスキー法にパスしたクリーンエンジンを積んだのがホンダのシビックだ。
1983年9月に2度目のモデルチェンジを実施した。3代目のニックネームは「ワンダーシビック」だ。
衝撃だったのはデザインで、ロングルーフのリアエンドを大胆にカットしたスタイリッシュな2ボックスフォルムに生まれ変わった。グリルレスの若々しいフロントマスクも、それまでのシビックにはなかったものだ。
エンジンは1.3Lと1.5Lの直列4気筒SOHCだが、ユニークな3バルブ方式である。1984年11月には1.6LのZC型直列4気筒DOHC4バルブエンジンも送り込んだ。7000回転まで気持ちよく回るだけでなく実用域のトルクも厚みがある。
コンパクトカークラスに、ロックアップ機構付き4速ATを持ち込み、普及させたのもシビックの偉業のひとつだ。シャトルには4WDも設定した。
レガシィを世界基準に押し上げた4代目
低重心の水平対向エンジンと4輪駆動のシンメトリカルAWDにこだわり続け、安全で楽しい走りを実現しているのがレガシィだ。
歴代のなかで衝撃を与えたのが2003年5月に登場した4代目のレガシィである。世界基準のグランドツーリングカーを目指して開発され、初めて3ナンバーのワイドボディを採用した。その結果、運動性能を飛躍的に高めることに成功した。
EJ系の水平対向4気筒エンジンには電子制御スロットルや等長等爆エキゾーストシステムを採用し、さらに気持ちいい回転フィールを手に入れている。
また、最終モデルではADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)を発展させた運転支援システムのアイサイトを実用化し、今につながる安全装備の価値を不動のものとした。
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自動車に限らず、伝統があるモノは革新を嫌ったり、変えることを躊躇う。
が、何代もキープコンセプトだと、飽きられてしまうし、新たなファンを開拓できない。特に自動車は日進月歩の世界だから、古い慣習に固執したり、古い価値観に縛られすぎると販売は大きく落ち込む。
若いデザイナーやエンジニアを育てるためにも革新は必要だ。また、衝撃を与えた車は、時を経ても人々の記憶に残っているものである。
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