■ホンダはもうすでに8割が軽と小型車
国内販売事情に詳しい自動車ジャーナリストの渡辺陽一郎氏によると、今回の3車種年内販売終了について、「いきなりで意外ではあるけども、あり得ない話ではないな、と」とのこと。
「2020年度のホンダの車種別国内販売比率を見ると、N-BOXを中心とした軽自動車が(ホンダの国内全販売台数の)54%を占めます。ここにフィットとフリード、ヴェゼルを入れると80%以上になる。つまり、日本国内に限って見れば、ホンダは軽自動車+小型車メーカーなわけです。」
つまり、ホンダはかつてのスズキのようなメーカーだということか。
先ごろ発表発売された新型ヴェゼル(2021年4月)は鈴鹿製作所での生産で、軽自動車であるN-BOXと混流ラインとなる。フィットも同製作所での組み立てなので、ヴェゼルがここで生産するのは、分からなくもないが、やや違和感もある。狭山工場が閉鎖になるというのであれば、この措置、差配に一気に納得できる。
そのうえで、狭山工場の生産車種となると、もうひとつ気になる車種がある。こちらもかつてのホンダの「顔」といえるモデル、ステップワゴンだ。
今回ホンダに「まさかステップワゴンも生産終了…ということはないですよね?」と問い合わせると、「今回、販売店に生産終了を告げた車種リストには、ステップワゴンは入っていません」とのこと。では狭山工場閉鎖後の2022年以降、ステップワゴンがどうなるかについては「コメントできません」とのことだった。
前述の渡辺氏によると、
「今後、国内市場では実質的にヴェゼルがホンダの最上級車になる。ファミリー層向けにはフリードをあてるのだろう。ダウンサイザーにはフィット、全年齢層向けにはN-BOXで充分ということ。ただステップワゴンに関しては、国内に多くの既納ユーザーがいる。いきなり販売終了とは考えづらい。順当にいけば生産は寄居工場へ移管する、ということだろうけども、とはいえ先のことはまったくわからない」
とのことだった。
名門オデッセイ、レジェンドの(年内いっぱいでの)生産終了のニュースも仰天だったが、もしかするとこれは、ホンダの大改革のまだスタートラインなのかもしれない。
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