さらば超名門車オデッセイ!!  2021年内3車種販売終了でホンダ大改革の行方

■ホンダはもうすでに8割が軽と小型車

 国内販売事情に詳しい自動車ジャーナリストの渡辺陽一郎氏によると、今回の3車種年内販売終了について、「いきなりで意外ではあるけども、あり得ない話ではないな、と」とのこと。

「2020年度のホンダの車種別国内販売比率を見ると、N-BOXを中心とした軽自動車が(ホンダの国内全販売台数の)54%を占めます。ここにフィットとフリード、ヴェゼルを入れると80%以上になる。つまり、日本国内に限って見れば、ホンダは軽自動車+小型車メーカーなわけです。」

2021年5月末時点で、累計販売台数200万台を突破したN-BOXシリーズ。実質的に(軽なので当たり前だが)国内だけでこの数字は驚異的で、国民的ヒット車といえる。そしてこのモデルが売れすぎていることが、ホンダの国内販売戦略に大きな影響を与えている
2021年5月末時点で、累計販売台数200万台を突破したN-BOXシリーズ。実質的に(軽なので当たり前だが)国内だけでこの数字は驚異的で、国民的ヒット車といえる。そしてこのモデルが売れすぎていることが、ホンダの国内販売戦略に大きな影響を与えている

 つまり、ホンダはかつてのスズキのようなメーカーだということか。

 先ごろ発表発売された新型ヴェゼル(2021年4月)は鈴鹿製作所での生産で、軽自動車であるN-BOXと混流ラインとなる。フィットも同製作所での組み立てなので、ヴェゼルがここで生産するのは、分からなくもないが、やや違和感もある。狭山工場が閉鎖になるというのであれば、この措置、差配に一気に納得できる。

 そのうえで、狭山工場の生産車種となると、もうひとつ気になる車種がある。こちらもかつてのホンダの「顔」といえるモデル、ステップワゴンだ。

2021年いっぱいで閉鎖される狭山工場といえばステップワゴンの生産工場でもある。まさかステップワゴンも…??
2021年いっぱいで閉鎖される狭山工場といえばステップワゴンの生産工場でもある。まさかステップワゴンも…??

 今回ホンダに「まさかステップワゴンも生産終了…ということはないですよね?」と問い合わせると、「今回、販売店に生産終了を告げた車種リストには、ステップワゴンは入っていません」とのこと。では狭山工場閉鎖後の2022年以降、ステップワゴンがどうなるかについては「コメントできません」とのことだった。

 前述の渡辺氏によると、

「今後、国内市場では実質的にヴェゼルがホンダの最上級車になる。ファミリー層向けにはフリードをあてるのだろう。ダウンサイザーにはフィット、全年齢層向けにはN-BOXで充分ということ。ただステップワゴンに関しては、国内に多くの既納ユーザーがいる。いきなり販売終了とは考えづらい。順当にいけば生産は寄居工場へ移管する、ということだろうけども、とはいえ先のことはまったくわからない」

 とのことだった。

 名門オデッセイ、レジェンドの(年内いっぱいでの)生産終了のニュースも仰天だったが、もしかするとこれは、ホンダの大改革のまだスタートラインなのかもしれない。

【画像ギャラリー】 さよならオデッセイ…いいクルマでした……年内生産終了のオデッセイの雄姿を画像でチェック

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