2022年4月1日から首都高の上限料金が値上げになった。35.7km以上の走行で適用されていた「上限料金1320円」は距離に応じて料金が加算され、新たな上限料金は55km以上で1950円に設定。この値上げにより、現金車とETC車の料金設定の「待遇差」はますます広がり、もはや「現金車の排除」と言えるほどの格差になった。以下、その概要を詳しく紹介したい。
文/加藤久美子
写真/加藤博人、AdobeStock(アイキャッチ画像@Caito)
■首都高の料金改定!! 35.7kmまでは料金変化なし、「周回」した場合は…どうなる……?
今回の料金改定をまとめると以下となる。(ETC車両の普通車が対象)
・35.7km~55kmまでの距離料金は「1kmあたり29.52円」(普通車)が10円単位で加算される。
・新上限料金は55km以上で設定され1950円
・首都高の最長区間はさいたま見沼~並木の86.6kmなので55km~86.6kmまでは新上限料金1950円となる。
・新たに午前0~4時の間に首都高に入ったクルマは深夜割引(約20%引き)を適用
さて、今回の値上げで気になるのは都心環状線(C1)や中央環状線(C2)を「周回」走行した場合の料金だ。周回というとルーレット族を思い浮かべる人も多いかもしれないが、夜景を楽しみながら空いている首都高を周回ドライブする善良なドライバーも数多く存在している。
警視庁は悪質な危険走行を繰り返すルーレット族の取り締まりに躍起になっているが、実際、首都高をサーキット代わりにして本気で走るルーレット族はごくわずか。筆者も月2-3回くらいの割合で夜の首都高ドライブを楽しんでいるが、ルーレット族らしきクルマに遭遇するのは半年に1回あるかないかである。
なお、以前首都高の広報課へ確認した時は、「交通ルールを守り、安全運転で走っていただくのであれば、周回走行はまったく問題ございません」という心強い(?)お言葉もいただいている。
結論から言うと、周回は距離料金にカウントされない。何周走っても加算されることはないのでご安心を。
なぜ、周回しても距離料金にカウントされないのか? それは首都高の距離料金システムが「入口から出口までの最短距離」で計算されるからだ。
首都高は同じ入口から入って、目的地の出口で出るまで複数のルートが選択できる場合が少なくない。渋滞や通行止めを避けるため少し遠回りした別ルートを使って目的地に行く場合もあるだろう。それゆえ必然的に料金の計算は「入口~出口の最短距離」が基準となるのだ。
都心環状線(C1)や中央環状線(C2)、そして大黒PAを起点にK5~K1~K3~Bを周回するにしても、距離料金は入口と出口の最短距離が基本となる。
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コメントの使い方首都高速はタダにするはずだったのにどう言う事でしょうね