■気になる深夜割引 NEXCO高速道路の深夜割引との違いに注意!
今回の料金改定には嬉しい「割引」も新たに導入された。0~4時の間に首都高に「入る」(=ETC無線通信を行う)と、約20%の割引が適用される。いわゆる深夜割引だ。
しかし、首都高の深夜割引は東名や新東名などの高速道路ですでに導入されている深夜割引とはシステムが大幅に違うので注意してほしい。
まず、深夜料金適用の基準であるが、NEXCOの場合は基本、料金ブースを通過した時間となるが、首都高においては料金所手前に設置してあるETCの通信機器と首都高に入って最初のETCアンテナとの通信時間(通信した時間)が基準になる。例えば用賀料金所の場合、ETCアンテナは料金所の240メートル手前にある。
具体的にNEXCO3社の高速道路と首都高との「深夜割引」の基準について記しておこう。
深夜割引の時間帯はいずれも0-4時となっているが、適用の基準には大きな違いがある。
NEXCOでは0~4時の間に「入る」「出る」「高速道路上にいる」のいずれかで割引となるが、首都高の場合はこの時間帯に「入る」ことのみが基準となる。
(1)午後11時に入って、午前6時に出る 〇NEXCO ×首都高(入った時間が0~4時ではないので×)
(2)午前0時に入って、午前0時半に出る 〇NEXCO 〇首都高(入った時間が0時以降なのでOK)
(3)午前3時59分に入って午前5時に出る 〇NEXCO 〇首都高(入った時間が0~4時なのでOK)
(4)午後10時に入って、午前1時に出る 〇NEXCO ×首都高(入った時間が0~4時ではないので×)
NEXCOなら(1)~(4)いずれの場合でも深夜割引が適用されるが首都高で適用となるのは(2)、(3)だけ。これは十分注意してほしい。「深夜割引だと思っていたら対象外だった!」とはなかなか悲しい。
また、割引と言えば、意外と知られていないが「都心流入割引」なるものが2016年からスタートしているのをご存知だろうか。これはすべてのETC車を対象としている。
上記(1)~(10)の対象出入口~宝町、京橋、新富町、銀座、汐留、芝公園、飯倉、霞が関、代官町、北の丸、神田橋、八重洲、丸の内各出入口及び東京高速道路(D8)との接続部の間を利用する場合、割引になる。
例えば「用賀」から3号線経由で都心環状線に入って「銀座」で降りた場合、首都高ETC料金は740円だが、都心流入割引が適用されると-130円の610円になる。同様に「飯倉」で降りれば990円→610円、「北の丸」なら890円→610円に割り引かれる。
■現金車は絶対ソン!ETC車載器購入助成金制度があるうちにつけておこう
ところで、これまで書いた距離料金の加算の仕方や0~4時に設定された深夜割引などは、すべて「ETC車を対象にした料金制度」である。
では、現金車はどうなるのか。答えは「どんなに短い区間でも上限料金」が適用される。普通車の場合は2022年3月末までの上限料金は1320円だったのが、料金改定以降は1950円となる。つまり首都高3号線の「用賀」から入って次の「池尻」で降りた場合、距離は6kmとなりETC車なら360円(深夜割引290円)であるところも、現金車は上限料金の1950円となる。
さらに2022年4月1日から現金車は利用できないETC専用入口が急増した。2022年3月1日に5カ所、同4月1日からは29か所増えて、現在は以前からETC専用の「馬場」を含め首都高35か所が「ETC専用入口」となっている。ETC専用の料金所では、ETC車載器を搭載していない車両は通行不可。現金はもちろん、クレジットカード、ETCカードの手渡しでの料金支払いも不可。ETC専用入口は2025年度中までに約9割(約160か所)まで順次拡大していく予定だ。
では、現金車が誤ってETC専用入口に入ってしまった場合はどうなるのか。これはまず「サポートレーン」に進み、インターホンで係員を呼び出して指示を受けることになる。具体的には設置されている料金支払いのための案内チラシをとって、普通に首都高に乗って目的地まで行く。
実際に筆者が試した新山下出入口で受け取ったチラシには料金支払いの方法が記されていた。WEB、電話いずれの場合でも「コンビニ」で支払うことになる。
注意すべきは、現金車なのに間違って「サポート」レーンに入ってしまった場合でも、絶対にバックしたり、Uターンしたりしないこと。NEXCO高速道路のような「特別転回」の制度はない。
支払いはコンビニで行うのが基本で「首都高ETC課金フォーム」に詳細を書き入れて申請する。
方法がよく分からないのであれば、首都高お客様センター(24時間有人対応03-6667-5855)に確認のこと。
支払いをせずにほうっておくと「不正通行」として取り扱われることになる。通行料金に加えて督促に要する費用及び割増料金が請求をされる(首都高では営業規則第27条第8項によって、料金所に設置されたカメラで首都高入口を通行するすべての車両(ナンバーと運転手の姿含む)を撮影している)。
首都高のETC利用率は全車種平均で96.8%(令和4年1月)と非常に高くなっているが、まだ現金車は存在する。首都高1日の平均利用台数は約90万台なので、現金車は1日約2万8800台も利用していることになる。
コメント
コメントの使い方首都高速はタダにするはずだったのにどう言う事でしょうね