来場者は9.1%増!! 10月4日(火)〜7(金)日までの4日間、幕張メッセ(千葉県美浜区)を舞台に開催された「CEATEC JAPAN 2016」。
その会場には昨年比9.1%増となる14万5180人もの来場者が訪れ、盛況のうちに幕を閉じた。さまざまなメーカーの新技術が集った今年のCEATECだったが、そこに“クルマの未来”の一端が見えた!!
文/写真:WEBベストカー編集部
意外!?自動改札機もつくるオムロン
今回、取材班が訪れたのはオムロンのブースだ。体温計を始め、血圧計や体脂肪計などホームヘルスケア製品で知られるオムロンだが、じつはそれは“ひとつの顔”に過ぎない。
例えば、自動改札機の開発や、スマートキー、さらには電動パワステコントローラの開発など、実に幅広い製品を手がけているのだ。
こうしたオムロンの高いセンシング技術を生かして、ブースでは人間とラリーができる卓球ロボット「フォルフェウス」のデモ展示も行われ、多くの人々の注目を集めていた。
そんなオムロンのブースの一角に、クルマの未来を感じさせるひとつの技術展示があった。
それは「ドライバー運転集中度センシング技術」で、今回のCEATECで準グランプリにも輝いた。いったいどんなモノなのだろうか? オムロンの解説員に聞いた。
カメラでドライバーの状態を認識、分類、運転可能か判断
Webベストカー取材班(以下、BC) まず、どんな技術なのか? 要点を教えてもらいたいのですが。
オムロン解説員(以下、解説員) ハンドル上部に付いているカメラで、ドライバーの状態を検知するというシステムです。
BC なるほど。これで表情などから、ドライバーが運転可能かどうかを判断しているのですね。具体的には、どのようにドライバーの状態を「判断」しているんですか?
解説員 例えば「スマートフォンを使っている」場合、「すぐには(運転復帰)できないけれど、何秒か経ったら運転可能」。「ドライバーが寝ている」場合、「運転復帰にはかなり時間がかかる」。
というように、ドライバーの状況、ひとつひとつを定義する(下記、「運転復帰レベルの例」を参照)といった形で判断しています。
●運転復帰レベルの例
■運転復帰レベル1(即運転復帰可能)【運転復帰時間:〜約4秒】
- ・前方注視(約1秒)
■運転復帰レベル2(一定の動作後、運転復帰可能)【運転復帰時間:約4〜10秒】
- ・スマホ操作(約4〜8秒)
- ・飲食、喫煙(約6〜9秒)
- ・読書(約5〜8秒)
■運転復帰レベル3(指定時間内での運転復帰不可能)【運転復帰時間:約10秒〜復帰不可能】
- ・パニック(数十秒〜)
- ・赤ちゃん抱っこ(数十秒〜)
- ・居眠り(数十秒〜)
BC もし、「スマホ操作」など定義に当てはまる動きを認識した場合、それをドライバーにどのように知らせるのでしょうか?
解説員 こうした定義に当てはまった場合、警告を出します。
BC 現状では警告を出すのみですが、自動車メーカーと協力していくことで、例えば「スマホの操作を認識したので、ブレーキをかける」といったことも将来的には可能だと思いますが……
解説員 そういう可能性もあるかと思います。現在は自動車会社さんとも商談を行っている最中です。
BC 今後、実用化に向けた課題は?
解説員 やはり認識の精度を上げることに尽きます。眼鏡をかけている方や帽子を被っている方でも認識できるようにすることも必要です。また、海外に販売するならば、外国人と日本人では顔が違いますから、そうしたデータを豊富に採ることも必要ですしね。
※下記は、「ドライバー運転集中度センシング技術」のデモ動画
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