市販品か? 保険会社のか? プロから見たマジで使えるドラレコはどれだ!

市販品か? 保険会社のか? プロから見たマジで使えるドラレコはどれだ!

 ドライブレコーダー(以下、ドラレコ)は、事故の瞬間を映像で記録し、事故対応を円滑に進めるための重要なツールとなっています。ただ、その種類は多く、どれを選んだらいいものかわかりにくい部分もあるでしょう。今回は自動車事故を受け付け、数多くの事故現場を見てきた筆者が、ドライブレコーダーの選び方をじっくり考えていきます。

文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(メイン画像=健二 中村)

ドラレコは前方録画のみの安価なものから360度全方位録画できる高価なものまで様々(photobyphotoboy@Adobe Stock)
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ドラレコが撮影する場所や時間は大きく分けてこの3つ!

ドラレコは前方録画のみの安価なものから360度全方位録画できる高価なものまで様々(photobyphotoboy@Adobe Stock)
ドラレコは前方録画のみの安価なものから360度全方位録画できる高価なものまで様々(photobyphotoboy@Adobe Stock)

 カー用品店で販売されているドライブレコーダーは、前方のみを記録するシンプルなもので数千円から、前後方の2カメラや360度記録のモノだと2~3万円程のものが主流です。

 自動車メーカーが製造段階からドラレコを取り付けたり、オプション設定したりしているケースも増えてきました。カー用品の市販のモノよりも、カメラが目立たず後付け感が少ないものが好評です。

 また加入している保険会社によっては、保険の契約プランにドライブレコーダーが含まれているケースもあります。

 それぞれに特徴があるドライブレコーダーですが、自動車事故の際に、本当に使えるドラレコは一体どれなのでしょうか。

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保険会社提供のドラレコが事故対応で力を発揮する理由

性能だけで言えば高価な市販品が一番だが、純正品や保険会社が提供するドラレコにもメリットはある(waraphot@Adobe Stock)
性能だけで言えば高価な市販品が一番だが、純正品や保険会社が提供するドラレコにもメリットはある(waraphot@Adobe Stock)

 ドラレコ本体の性能で比べれば、カー用品店で選べる数万円の市販品が、圧倒的に性能は上でしょう。画質の鮮明さ、画角の広さで選ぶならこれ一択です。

 自動車メーカーの純正品は、市販の最高級品には劣るものの、車両の一部品として取り扱われるため、新車の長い保証がついてくるのがメリットになります。長く使うカー用品だからこそ、保証の大切さが身に染みる時が来るかもしれません。

 そして保険会社が提供するドライブレコーダー。こちらの最大の特徴は、事故時に自動で保険会社へ連絡を行う機能が備わっている点です。例えば、衝撃が感知されると自動的に保険会社へ通知が送信され、事故対応のサポートが即座に開始される仕組みが整っています。

 また、保険会社提供のドラレコには、専用サーバーで映像を管理する仕組みがあるものも。ドラレコ内だけで録画データを管理する市販品と異なり、データが安全に保存される点は見逃せないポイントです。

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ドラレコにとって本当に必要な機能はコレ!

画質やアフターサポートなどを重要視しがちだが、最も大切なのは事故時の映像が残るメモリ機能だ(Kwangmoozaa@Adobe Stock)
画質やアフターサポートなどを重要視しがちだが、最も大切なのは事故時の映像が残るメモリ機能だ(Kwangmoozaa@Adobe Stock)

 ここで、ドラレコが大きく関係した、筆者が過去に取り扱った事故をご紹介します。

 保険契約者と相手方との言い分が異なるため、事故発生時点から少し前のドライブレコーダーの記録を、保険契約者側に提出するよう求めたケースです。

 契約者が提出を求められたのは、事故発生から10日後のこと。事故による損傷はそれほど大きくなく、引き続き毎日通勤でクルマを使っていた契約者のドライブレコーダーは、既に映像が上書きされ、事故発生日の記録が残っていませんでした。

 事故発生の瞬間は、衝撃による検知でドラレコの映像が残りますが、事故によっては衝撃の瞬間よりも前の映像が重要になることがあります。ドラレコ内に溜められる映像記録は、カード容量などによりますが、2~5日程度で一杯になり、古いものから上書きされてしまうのです。

 この事例では、毎日長時間運転しているため上書きされるのが早かったことに加えて、事故が起こった際、すぐにSDカードを抜いて他のカードに入れ替えたり、パソコンにデータを取り込んだりといった対応を契約者自身がしていなかったことが、確たる証拠を出せなくなった原因でした。結果として、事故前の状況がわからず、物的証拠がない中で、過失割合の交渉には時間を要する結果となったのです。

 せっかくドラレコをつけていても、事故時の映像が映っていない、もしくは消えてしまっていたら意味がありません。ドラレコに最も必要な機能は「映像を残す」ということ。この点では、市販や自動車メーカー純正のドライブレコーダーよりも、圧倒的に通信技術で専用のサーバーに映像を残してくれる保険会社提供のドラレコに、大きなアドバンテージがあると言えるでしょう。

 ただし、保険会社が提供するドラレコは買い切りではなく、あくまで契約条件に含まれる貸与という形。他のプランに比べてコスト増となるのはデメリットでもあります。しかし、事故対応の迅速性や確実性を考慮すれば、費用対効果は高いです。

 ドラレコは、ドライバーの味方でなければなりません。いざというときにしっかりと活用できる、使えるものでないと意味が無いのです。買って付けただけでは、まだ不足のドラレコ活用。あなたのドラレコは「使える」ドラレコですか。

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