全国各地で35度を超える猛暑日を記録しているが、こんなうだるような暑さと直射日光のなか、車内の温度はどうなっているのか? 1000円以内で販売されているサンシェードは防げるのか、どれくらいの効果があるのか、そして運転席&助手席側面に貼る断熱透明フィルムも意味あるのか、迫ってみたい。
文:ベストカーWeb編集部/ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(xiaosan@Adobe Stock)
■35度以上の酷暑日にクルマを外に置くと室内の温度はどこまで上がる?
連日の猛暑日、全国各地で気温35度以上を記録しているが、クルマを遮るものがない炎天下のなか、駐車すると室内温度はどこまで上がるのか? ベストカーで過去テストした記事から抜粋しよう。
気温36.4度を記録した7月某日、正午から午後3時まで、ハスラーとBMW318iの窓を閉めてテストを実施した。車内温度は表のとおり、318iの温度がぐんぐん上がり室内温度はなんと60.8度まで上昇。
あまりの灼熱ぶりにシートに座ろうものならヤケドを負う可能性もあるレベルだった! 約70度のボンネットにも実際に触ってみたが、1秒以上は触れられないぐらいの熱さ。気密性と色の問題か、 軽自動車よりも高級車のほうが暑いという結果に。
1時間半を経過したところから雲が多くなり、日差しが遮られたことでクルマの温度が低下してしまったが、それでも室内温度はハスラーが44度、 318iが52度と、長時間車内にいることは厳しい温度のままだった。
では日陰に停めればどうなるのか気になるところ。しかし、日陰に駐車したからといって安心はできない。日陰に駐車することで、車内温度の上昇は防げる効果はあるものの、車内温度が上昇することは間違いないので注意が必要だ。
それを裏付けるテストをJAFが行っているので引用し紹介しておきたい。「日なたと日陰を車内温度、JAFユーザーテスト」(引用:JAF)では、外気温32.1度~32.8度の日中、車内温度を27度に設定した2台のクルマを日なたと日陰に駐車し、車内温度がどのくらい違うのかテストを行っている。
テスト開始から20分後には、日なたが40度、日陰が34度に上昇、30分後には日なたが42度、日陰が35度となり、日陰でも外気温32度を超えた。
そしてテスト開始から1時間後には日なたが43度、日陰が36度と7度の差があった。日陰といっても車内温度が高く、乳幼児やペットを車内に残すことは危険だということを頭に入れておきたい。
■サンシェードの効果はあるのか?
続いて、日除け用にと多くの人が使うのが、フロントウィンドウ内側に付けるサンシェードだ。しかし、サンシェードは車内温度の上昇にどれほどの効果があるのだろうか?
日光を浴びて暑くなるのは車内も同じ。締め切った車内温度はなんと60度近くにも達する。JAFでは過去にユーザーテストと称して、真夏の炎天下に駐車した車内の温度変化を計測する実験を行っているので引用して紹介したい。
外気温のピークとされる14時を挟んだ12~16時までの4時間で、車内温度がどう変化していくのかを複数車両で計測した。ユーザーテストの詳細はJAFのサイトに詳しいが、5車それぞれに条件を付けて車内温度の変化を計測している。
注目すべきは、前面ウィンドウにサンシェードを装着した実験車の結果だ。サンシェードはウィンドウをシェード(日よけ)で覆うことで直射日光が車内に入り込むのを抑える役割がある。
手軽で効果が高いと思われるサンシェードだが、意外にも車内温度の抑制効果は2度とごくわずかだった。
サンシェードが最も効果を発揮したのは、直射日光をまともに受けるダッシュボード(表面部分)温度の抑制だ。サンシェードなしで直射日光を4時間受け続けると、最大で74度まで上昇するのに対して、サンシェードを使うと52度とサンシェードなしの場合の22度も抑えることができた。シェードの素材や形状にもよるが直射日光があたる場所への温度抑制効果は高い。
車内温度に対して最も温度の抑制効果が高かったのはエアコンを稼働させた車両だった。設定温度を25度にしたまま4時間にわたる炎天下に駐車しても、車内の最高温度は27度とわずか2度の上昇に留まり、平均温度も26度に保たれていた。こうしたエアコンが効いた車内では、今流行の携帯扇風機を使えばさらに涼しくなる。
コメント
コメントの使い方