普段、ATやCVTのクルマを運転していて、ふと疑問に思うことありませんか?
加速していく時、Dレンジに入れたままのほうが速いのか? 燃費を考えた場合には頻繁にシフトチェンジしたほうがいいのか? また長い下り坂ではエンジンブレーキを効かせないほうが燃費が良くなるのか?
そんなAT&CVTのふとした疑問に答えます。いったいどんなシフトアップ、シフトダウンがベストな方法なのだろうか?
文/高根英幸
写真/ベストカー編集部 ベストカーWEB編集部
【画像ギャラリー】下り坂のエンジンブレーキ、信号待ちではDかNか?
燃費を優先するのか? 走りを楽しむのか?
クルマを運転して走らせることは、目的地までの移動手段でもあるが、運転操作自体を楽しんでいるドライバーも少なくないだろう。
2ペダルMTであれば、制限速度や周囲の交通状況に合わせてアクセルとブレーキで車速を調整してやるだけで、減速比とエンジン回転は自動的に最適な状態にしてくれる。
アクセルペダルとエンジンのスロットルバルブが直接ワイヤーでつながらなくなってからは、車速とアクセルペダルの踏み込み量に応じてエンジンECUが最適なギアと燃料の噴射量、スロットルバルブの開度に調整してくれている。
変速機もエンジンの負荷に応じたギアにシフトして、トルクコンバーターのロックアップクラッチの断続を行なう。
そのためAT(ステップAT)のDレンジは、基本的には燃費を最優先したシフトプログラムが組まれている。これは通常のステップATでもCVTでもDCTでも同じだ。
最初の発進こそ減速比を大きくして出足を良くしながら、速度が十分に乗れば減速比を小さくしてエンジン回転数を落とし、燃焼の回数を減らすとともに適度な負荷を維持する。
このあたりはCVTが得意とするところで、ベルトをプーリーが締め付けるための油圧損失を加味しても、エンジン回転を大きく下げることができるので、結果として燃費は向上するのである。
ステップATの多段化も、各ギアのつながりを緩やかにしながら変速比幅を拡大し、軽負荷時にエンジン回転を引き下げるための対策だ。
CVTでもステップATでも、発進をスムーズにするためエンジンからの駆動力の伝達にはトルクコンバーターを用いているが、最近のトルクコンバーターはロックアップ率を高めるためロックアップクラッチの容量が増え、トルクコンバーター自体は薄型化されており、トルク増幅効果はほとんどない代わりに撹拌損失も少ない。
このように駆動系のエンジニアが考え、走り込んで熟成した変速機の制御プログラムは、実によくできているから、Dレンジのまま走り続けても、走りにはあまり不満はないだろうし、燃費だってかなり良い(よほどアクセルをパカパカ踏み直したりすれば別だが)ハズだ。それでも、自分で積極的にシフト操作する方がメリットがあるケースもある。
コメント
コメントの使い方CVTのマニュアルモードでシフトチェンジしたくらいで不具合が出るならリコールものだと思う。過負荷とからないようにソフトウェアで制御されている。実際にリコールとなったこともある。