常勝ノートとアクアがまさかの失速!? ベストセラー順位 異変の事情

アクアにとっては今後も苦境が続くが2020年12月に新型が登場!

2020年2月に発売を予定している新型ヤリス。ヤリスハイブリッドはアクアにとって最大のライバルになりそうだ
2020年2月に発売を予定している新型ヤリス。ヤリスハイブリッドはアクアにとって最大のライバルになりそうだ

 今後は2020年2月にヤリスハイブリッドが発売され、2020年5月以降はアクアと同じ全店扱いとなるため、アクアにとって身内のライバル車が増える。

 アクアの2019年10月の売れ行きが-50%を超えたのは、台風による影響もあると考えられるが、下降傾向を強めていることも間違いない。

 気になるのは次期アクアだ。さまざまな噂が聞かれるが、ヤリスハイブリッドがコンパクトな定番車種として用意される以上、次期アクアは個性を強める必要がある。

 次期アクアは当然のことながら、新型ヤリスと同じ「TNGA」プラットフォームでパワートレインも新開発の3気筒1.5L直噴の2モーターリチウムイオンバッテリーを移植する。

 燃費もFFの最良値がJC08モードで44.0km/L、WLTCモードで35.8km/Lとヤリス並みに空前の低燃費を実現させる見込みだ。

 現行アクアはカッコのよさに反して背の低いクーペ的なデザインが後席の狭さ、ヘッドクリアランスの低さがネックになっているので、次期アクアではこれらの手直しで居住空間の拡大、クオリティアップでの上級シフトによって新型ヤリスとのコンセプト分けを明確にすると思われる。

 このためサイズアップ、全高の引き上げなども行われる可能性がある。新型ヤリスの全幅は1695mmの5ナンバーサイズだが、サイズアップで全長を若干延長し、全幅は1700mm超えの3ナンバー化に踏み切るかもしれない。

 次期アクアの発売時期は2020年12月発表、2021年2月頃の発売予定となっている。

ベストカー本誌がCG製作した次期アクアの予想CGイラスト。2021年12月発表、2022年2月頃の発売を予定している
ベストカー本誌がCG製作した次期アクアの予想CGイラスト。2021年12月発表、2022年2月頃の発売を予定している

 プリウスを含めて、以前は遠方から見てもハイブリッドだと分かる専用車が必要だったが、今は国内で売られるトヨタ製乗用車の大半にハイブリッドが用意される。

 珍しい先進機能ではなくなったから、アクアやプリウスのようなハイブリッド専用車のニーズも薄れた。そうなるとアクアを存続させるには、従来とは違う専用車としての明確な個性が求められる。

 いずれにしろ、アクアの人気と売れ行きは下降傾向だ。トヨタにはカローラシリーズ、ルーミー&タンク、シエンタなど設計が比較的新しい堅調に売れるコンパクトな車種があり、アクアの需要はこれらの車種に奪われている。

日産のコンパクトカーはノートしかない

 一方、ノートは事情がまったく違う。安全装備を含めた設計の新しさという意味で、購入に値する日産のコンパクトカーが今ではノートに限られるからだ。

 キューブとマーチは設計が古く、衝突被害軽減ブレーキ(緊急自動ブレーキ)も採用していない。マーチは一時的に販売を中止して、改良を加えた後に復活するようだが、キューブは2019年末で販売終了となる。

 ジュークは売れ筋カテゴリーのコンパクトSUVだが、海外で新型車を発売しながら、日本では旧型を売り続ける。セダンのシルフィは現行型で3ナンバー車になり、衝突被害軽減ブレーキも装着していない。

 このような具合だから、カテゴリーを問わず比較的ボディのコンパクトな日産車を選ぼうとすると、ノートに限られるのが実情だ。

 その結果、e-POWERの設定もあって堅調に売れている。2019年10月の突発的なマイナス46%は台風などの影響によるもので、今後は売れ行きが再び戻る。そうしないと日産の国内販売会社も成り立たない。

 ノートの2019年度上半期における小型/普通車の販売ランキング順位は、プリウスに続いて2位であった。

 しかしメーカー別の順位は、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツに次ぐ5位だ。デイズ+同ルークス+ノート+セレナの販売台数を合計すると、2019年度上半期における日産車全体の67%に達した。

 このように少数の売れ筋車種に依存する売り方は危うい。2019年10月にはノートに加えてセレナの対前年比もマイナス32.7%になり、日産全体では約30%の減少になった。日産の場合、ユーザーと販売会社の両方にとって、安定して販売できる新型車が求められている。

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