【マークXら名門車が続々消滅!!】2019年に生産終了する車たちへの慕情

【マークXら名門車が続々消滅!!】2019年に生産終了する車たちへの慕情

 毎年生産終了となるクルマはあるが、2019年は特に、「名門」や「ビッグネーム」と言われるクルマの生産終了(および生産終了宣言)が相次いだ。当記事では、ぞれぞれの名門車が生産終了となった背景に加え、「2019年に名門車の生産終了が多かったのには、何らかの事情があるのか?」を考察する。
文:永田恵一

【画像ギャラリー】去りゆく名門車たちのさらなる雄姿


■トヨタマークX(2004年~2019年)

トヨタマークX(現行型は2009年登場)

 マークXは、前身にあたるマークII時代には“マークII現象”という言葉があったほど街でよく見るクルマだった。

 21世紀に入りミニバンやSUVの台頭により販売が減少したものの、マークXとしては2代目となる2009年登場の現行モデルは高級感あるクルマの割に価格がリーズナブルなこともあり、2013年までは月間1500台程度と堅調に売れていた。しかし2014年からは月の平均販売台数が1000台を割るようになり、2016年にビックマイナーチェンジを行ったが、元々のモデルの古さもあり残念ながら販売は回復しなかった。

 一方で、トヨタは「キャラクターは違うけど、車格は同じ」となるカムリを2017年のフルモデルチェンジの際にマークXを扱うトヨペット店でも売るなど、現行カムリをマークXの後継車に考えていた面があった。現行カムリは現在でも月1500台以上が売れており、このこともマークX生産終了のトドメとなってしまった。

 ただマークXは2019年に350台限定のスポーツ系のスペシャルモデルとなるMTのGRMNと、カタログモデルの内外装に手を加えたファイナルエディションが設定されるという花道を飾れたのは救いだった。

■トヨタエスティマ(1990年~2019年)

トヨタエスティマ(現行型は2006年登場)

 ミドシップレイアウトを持つ初代、2代目と、2006年登場の現行型となる3代目はFFと形を変えたラージミニバンであるエスティマは、2014年までは月2000台以上と十分売れていたモデルだった。

 しかし2015年にアルファード&ヴェルファイアが現行型となる3代目にフルモデルチェンジされると、全体的な新しさ、押し出しのあるスタイルや全高の高さといった「分かりやすい高級ミニバンらしさ」を強く持つアルファード&ヴェルファイアを選ぶユーザーが増加し、エスティマの販売は明確に落ち始めてしまった。

 エスティマも2016年にマークX同様にビッグマイナーチェンジを行い一時的に販売は上向きとなったものの、年を追うごとに販売台数は低下。マークXと同じように販売台数が「一応の需要はあるけど、フルモデルチェンジできるほど投資に対する効果がない」と判断され、ハッキリしたアナウンスのないまま生産終了となった。

■スバルWRX STI(2014年~2020年1月)

WRX STI(写真はファイナルエディション)(現行型は2014年登場)

 現行型は2014年登場で、「WRX」としては初代、インプレッサの名を冠していた時代からカウントすると4代目となる。WRX STIは(インプレッサ時代から)ラリーやレースのベース車両という使命も持ったピュアなスポーツモデルで、このジャンルとしては堅調に売れていた。

 現行型も登場から5年が経っても十分な戦闘力を備えていた。

 しかし搭載されるEJ20型エンジンが誕生から2019年で30年を迎え、特に燃費や排ガスのクリーン度といった環境性能が現在の法規をクリアするのが難しくなったこともあり、2019年10月に生産終了と555台限定のファイナルエディションが同時に発表された。

 WRX STIは今年(2019年)に入って生産終了の噂が広まっていたこともあり、今年の販売は10月までで3299台と、2ペダルかつアイサイト付きでWRX STIより間口が広くいかにも売れそうなWRX S4の2610台を上回っている。

 WRX STIはファイナルエディションの設定に加え、2019年11月9日(土)には1000台以上が集まったスバル主催のファンイベントが開かれるなど、幸せな最後を迎えた。さらにファンイベントでは開発陣から復活が明言されており、その日が非常に楽しみだ。

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