■日産キューブ(1998年~2020年初頭)
ゴーン体制前の日産がドン底だった1998年にコンパクトハイトワゴンというコンセプトで初代モデルが登場したキューブは、特に初代モデルが危機を若干ながらも緩和するほどの成功を納めた。
2008年登場の現行型となる3代目モデルも2014年までは和やかなキャラクターが支持され堅調に売れたものの、2014年から徐々に販売台数が低下。今年10月までの販売台数は3863台と、コンパクトカーに対する期待値の10分の1程度しか売れなかった。
キューブが生産終了となった理由としては、まずライトバンのNV150 ADにすら単眼カメラ式の自動ブレーキが付いているのに、それすらしてあげなかったというあまりにもひどい日産のやる気のなさが挙げられる。また現行キューブは初期に欧米と韓国でも販売したのだが、これが失敗したことも影響したかもしれない。そこに日産が国内販売で大きな力を注ぐノートと軽自動車の台頭もあり、ほぼ何もしてもらえなかったキューブは売れず、生産終了となるのもやむを得ない。
それにしても功労車だったこともあるキューブに対する日産の扱いには、原稿を書きながら涙が出そうになる。
■日産ジューク(2010年~2020年初頭)
ジュークは今になると先駆車にも感じる、クーペルックを持つスペシャリティなコンパクトSUV(正確にはクロスオーバーか?)として2010年に登場した。
ジュークは超個性的なスタイルに対する批判の声もあったが、2012年までは月に3000台近くが売れていたことに驚く。2014年以降はホンダヴェゼルなどのコンパクトSUVの登場に加え、キューブほどではないにせよテコ入れが行われなかったこともあり、年々販売台数は落ち込み、今年は10月までで2839台しか売れなかった。
この販売台数では日本でジュークが絶版となるのも仕方ないが、ジュークファンとしてはそれ以上にヨーロッパでは販売される次期ジュークが日本に導入されないことが納得できないだろう。
しかしその代わりに直接的なものではないにせよ、ヨーロッパ以外の世界各国で販売されているジュークと同じ車格のキックスが後継車として日本に導入される見込みとなっていることは素直に喜びたい。キックスには日本では販売されないジュークの分まで頑張って欲しいところだ。
■三菱パジェロ(1982年~2019年)
パジェロは初代モデルの後半と2代目モデルが「乗用車的にも使える本格SUV」として、エスティマ、マークX同様に一世を風靡したモデルである。しかし1999年登場の3代目モデル以降はライバル車に対し乗用車的な要素の足りなさや全体的な古さが目に付くようになった。
2006年登場の4代目モデルとなる現行型は2010年に2008年に追加されたディーゼル車の改良以来大きな改良は行われず、年間販売台数は2018年には747台まで落ち込んでいた。
加えて日本での歩行者保護の法規が強化され、SUVで継続販売車となるパジェロはこの対応が2019年中まで猶予されていた。しかしこの販売台数では対応の開発費がペイできるとは思えないパジェロはタイミング的なものもあり、日本向けは生産終了となった。
ただパジェロにはマークXとWRX STI同様に700台限定のファイナルエディションが設定されたことは救いだった。またパジェロは三菱自動車にとって需要なクルマだけに、将来的な復活が期待できそうな点にも希望が持てる。
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