【ヴィッツ改めヤリス】日本メーカーが日本と海外で別車名を使う理由


日本でよくても海外ではダメなケースも

 お国が違えば食文化も変わるというが、車名を取り巻く環境も大きく違う。本国だけでなくすべての国・地域を満足させるのは難しい。これは日本、海外共通だ。

 有名なところでは、2019年に長い歴史に終止符を打った三菱パジェロだ。北米や欧州ではパジェロではなくモンテロという車名で販売されているのだが、イギリスとスペインではショーグンという車名となる。

日本人にとってはパジェロはパジェロでしかないが、そのパジェロの車名が使いたくてもマーケティング上使えないこともある。これは仕方がないこと

 パジェロという車名でグローバル販売できなかったのは、パジェロという言葉がスペインでは卑猥な言葉として使われているからと言われている。

 同様にトヨタセリカXXは北米ではスープラの車名で販売されていたが、当時アメリカでは成人映画などのX指定(現在のR指定に近い)があり、XXの車名がそれを連想させるということでスープラの車名で販売された。2代目からは日本でもスープラで統一。

1978年にセリカの上級モデルとして追加されたセリカXX。北米への輸出に際し、XXの車名がアメリカでは成人映画などのX指定を連想させるということでスープラとして販売

 輸出していないが、ダイハツネイキッド(全裸)、スズキハスラー(成人雑誌を連想させる)、ホンダThat’s(あれは!)などもアメリカ人に失笑される車名だ。まぁ、これは外国人が字面が気に入って『大馬鹿者』などの日本人では恥ずかしくて着られないTシャツを着ていたりするのと同じだろう。

英語ではネイキッドは丸裸という意味もあるようだが、タフでむき出しな感じのキャラクターを車名にしただけ。軽自動車はどんどん自由なネーミングにしてほしい

商標だけではない語感の壁もある

 そのほかの要因としては、商標の問題がある。原則的に他が登録しているものは使言えないか、使うならそれ相応の対価が必要になってくる。

 日本マーケットに導入される輸入車でも、古いところではヒュンダイエクセルがヒュンダイXL、ルノークリオがルノールーテシアとして販売せざるを得なかったのは日本での商標に阻まれたから。

三菱商事が1988年にソウルオリンピックを記念して150台限定で日本に導入。エクセルがすでに商標登録されていたためエクセルをXLで代用したかたち

 商標だけでなく、語感、響きが似ているという理由で車名が使言えないケースがある。車名ではないが、レクサスは1989年の立ち上げ時にアメリカの企業から響きが似ているということで使用禁止を求められた(後に解決)。

 ヒュンダイのコンパクトカーのゲッツは日本ではTBという車名で販売されたが、これはヴィッツと響きが似ているからヒュンダイが断念したといわれている。

2002年に打倒日本のコンパクトカーを掲げ低価格で日本導入されたヒュンダイTBは、韓国本国ではクリック、欧州ではゲッツの車名で販売された

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