2020年から2021年にかけてようやくというべきか、欧州勢に対抗しうる日本メーカーの新たなEV(電気自動車)が続々と登場する。
2020年にホンダはコンパクトEV「ホンダe」を日本市場に導入、東京モーターショーで初披露されたマツダの「MX-30」は2020年に欧州市場で発売の後、日本でも2021年に向けて導入予定だ。
続く2021年にはトヨタがレクサスブランドとして「UX300e」を投入する。
これらの新世代EVは、量産EVの先駆けであるリーフと比べてどう違うのか? 充分、実用に耐えうるEVに仕上がっているのだろうか?
文/岩尾信哉
写真/ベストカーWEB編集部
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コンパクトさとデザインで勝負するホンダe
ホンダは2019年9月のフランクフルトショーにおいて、ようやく同社初の小型量産EVであるホンダeの発表に漕ぎ着けた。
後輪を駆動するモーターの最高出力は、欧州仕様では100kW(136ps)/113kW(154ps)、最大トルクが315Nm(32.1kgm)、最高速度は約140km/h。リチウムイオンバッテリーの容量は35.5kWhとされる。
欧州仕様での全長×全幅×全高は3894×1752×1512mmとされ、ホイールベースは2530mm(前後トレッド:1520/1516mm)、現行フィットよりも全長は約100mm短く、全幅は50mm広く、全高は10mmほど抑えられ、ホイールベースは同値だ。
車重は1860kg(軸重は前後それぞれ870/990kg)。一充電航続距離は220km以上として、30分で80%まで充電する急速充電にも対応するなど、シティコミューターとしての使い勝手にも配慮したという(サスペンション形式は未発表)。ちなみに50:50の重量配分はホンダのこだわりといえそうだ。
5ドアハッチバックのボディに丸く滑らかなデザインを施し、ポップアウト式のドアハンドルやサイドミラーに代わってサイドカメラを装備した電子ミラーシステムを採用するなど、見た目や機能面でもEVとしての新しさを主張する。
インテリアではシンプルな印象を与える2画面の12.3インチ大型タッチパネルモニターを装備した。さらに先進のAI(人工知能)を用いたコネクテッド技術による情報提供などを実施する。
ホンダeは欧州市場で、すでにドイツ、イギリス、フランス、ノルウェーで先行予約を開始。2020年初夏から順次デリバリーを開始予定として、2020年10月の日本市場導入が見込まれている。
ドイツでの地方自治体の補助金を差し引いた車両本体価格は、最高出力100kW(136PS)のタイプが2万9470ユーロ(1ユーロ=118円換算。約348万円)、同113kW(154ps)のハイパワーバージョンたる「アドバンス」グレードが3万2470ユーロ(約383万円)となっている。
日本でのホンダeの車両本体価格は明らかにされていないが、補助金を含めて実質350万円程度と推定される。 コンパクトクラスにしてはかなりの割高感がある。
日産リーフは12月初旬現在で、価格は330万3300~410万7400円。今年度末まで使える補助金40万円、10万円のキャッシュバックもあり、さらに東京地区だと都の補助金30万円も利用できる。これらを合わせると100万円超えの買い得になるケースもありえる。
ホンダとしては月販1000台以上を売りたい方針のようだが、当面はかなり難しいとの見方が強い。
リーフは2017年末にフルモデルチェンジし現行2代目にバトンタッチしたが、それでも現在では月販1500台そこそこにとどまっており、買い得なサービスキャンペーンの展開に少しでも気を抜けば月販1000台を割り込んでしまうのが現状である。
他方、ホンダは長距離用EVシステムも開発中という情報も入ってきてので、今後のEV開発の進展に注目したい。
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