【2Lターボ対決】
“王者” GT-Rはどこまで速い?
久しぶりのゼロヨンテスト。テストフィールドは茨城県城里町の日本自動車研究所(JARI)のテストコースだ。
まずは日産GT-R NISMO。GT-R NISMOは3.8L、V6ツインターボエンジンから最高出力600㎰、最大トルク66.5kgm!! の超絶ハイパワーを絞り出す。
山野選手がGT-R NISMOのコックピットに収まり、テストコースなので速度リミッターを解除する。4WDモード、サスペンション、トラクションコントロールをすべて「R」モードに設定。
あとは左足でブレーキペダルを踏み、アクセルを踏み込みエンジン回転が高まった瞬間ブレーキをリリースすればローンチスタートモードにより鋭いスタートダッシュであっという間にGT-Rはすっ飛んでいく。
R34時代であればシフトアップのたびに車体がピッチングしたものだが、R35GT-Rはまったく姿勢を変化させることなく、ときおり”シュバッ!”とシフトアップ時のエンジン音が聞こえるだけであっという間に遙か400m地点を通過しブレーキランプが点灯した。
「速いよ。速いんだけど、ドライバーが介在していないというか……、なんかクルマとドライバーが遠いところにいるような印象。全部クルマが一番いいようにやってくれて、間違いなくそれがベストのタイムを出しているはず」
そう話すのは山野哲也選手。1回目のトライではあえてローンチスタートモードを使わず発進させてみたのだが、それでもタイムは11秒934。ローンチスタートモードを使った2本目がベストタイムで11秒615であった。
ちなみに、さりげなく書いているけれど、この11秒615というタイム、2012年にR35GT-Rで記録した11秒79を打ち破って、ベストカーゼロヨンテスト38年の歴史を塗り替えるトップタイムなのだった。
国産唯一の大排気量NAの実力は?
続いて山野選手はレクサスGS Fに乗り込む。GS Fは4968㏄という大排気量V8、NAエンジンで477㎰/54.0㎏mというスペックだ。
ターボ4WDのGT-Rとは対照的にFRでエンジンは自然吸気。GS FのトランスミッションはGT-Rのデュアルクラッチとは異なり、トルコン式の8速AT。
Dレンジに入れて左足ブレーキでいっきにスタートするだけで、誰が乗ってもほぼベストパフォーマンスを引き出すことができる。
「今日のテスト車から1台乗って帰っていいよといわれたら、ボクはGS Fを選びたい」
続けて山野選手はいう。
「速さではGT-Rが圧倒的なんだけど、GS Fはエンジンが近くにある……というか、エンジンとドライバーが対話しているような感覚。クルマと一体感を実感できるのがいい」
477㎰/54.0kgmを後輪だけで受け止めて加速していくさまは、やっぱり迫力満点。
トラクションコントロールをカットしてアクセルワークでトライした1本目よりも、クルマ任せでアクセル踏みっぱなしで走った2本目の13秒177がベストタイムとなった。
排気量5LのV8エンジンがいっきに7000回転まで吹けていくサウンドは、外で聴いていても大迫力だ。
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