■日産│NMKVの宿題。第2弾ハイトワゴンはライバルと太刀打ちできそうか?
デイズとeKワゴン。例えばデイズは発売1カ月で受注累計が3万台など両車とも絶好調。
そうなると気になるのが、来年1月販売予定のNMKV第2弾のハイトワゴン、これの仕上がり具合。なにせダイハツタント、スズキスペーシア、ホンダN-BOXと強者のライバルがひしめくなかに打ってでるモデル。それだけに燃費をはじめ、“完成度という名の宿題”を達成できているかがヒットのカギとなる。現状ではどんな具合なのか、本誌おなじみの事情通、遠藤徹氏へ聞いてみた。
「第2弾は第1弾とプラットフォーム&コンポーネントは共用です。全高は1700mm以上で両側スライドドアを採用。室内の広さと使い勝手のよさを売りにしているのはライバルと同じですね」と遠藤氏。気になるのはやはり燃費だが……。
「今回のワゴンRのMCでJC08モード30.0km/L。これによりデイズ&eKワゴンはトップを抜かれたわけだけど、このワゴンRより約100kg重いスペーシアが29.0km/Lを達成している。さらに、タントは10月のモデルチェンジでこれ以上を目指すはず。それらの後に登場する第2弾は気合いを入れるでしょう。29.0km/L以上は確実で、30km/Lの大台に乗せるかもしれない」
なるほど。より軽いデイズより燃費が上回る可能性も! 遠藤氏によると「宿題の達成度は90%だろう」とのことだ。
■ベンツ&ボルボ│大人気輸入車のAクラスとボルボV40。それぞれの宿題、終わりましたか?
●Aクラス、中古車価格が新車を上回るという課題は解消した?
日本へのデリバリー数以上に高い人気で売れまくっているゆえ、中古車価格が新車価格を上回るという異変が起きているベンツAクラス。異変は解消できたのか? 広報によると、6~7月のデリバリー数はそれまでの2倍に増加。8月はさらに増加しているので、今後は中古車価格が高いということは減り、中古車市場も落ち着くと見る。課題は、解消だ。
●ボルボV40、“納期縮小の宿題”は達成できているの?
ボルボV40が日本発売となった2月。発売3週間で3000台以上の受注と、ボルボカーズジャパンの想定を大きく上回る売れゆきだった。当然納車待ちが長くなり、1カ月後で2カ月以上の待ち状態になり、5月頃は3カ月待ちという長さに!
で、現在はデリバリー数が調整され改善しつつあり、2カ月待ち状態に落ち着いている。納車待ち期間を短くするという宿題は完了したわけだ。
■政府│EVの急速充電機器の宿題。各地への設置は順調に進んでいるのだろうか?
地球環境を考えるとゼロエミッションのEV(電気自動車)は、今後有効なクルマである。が、世界初のEV量販車、i-MiEVやリーフの販売台数がなかなか伸びない。それはインフラ整備、特に急速充電機の設置数が大いに関係ありそうだ。充電できる施設があまりないとEVを走らせるのも不安でしようがない、からだ。ごもっともである。
急速充電機の設置数が当初の宿題(計画)をこなしていないのではないか? と思い、EV普及を主導する経済産業省へ聞いてみると、「2020年までに全国に5000基設置する計画を立てており、ほぼそのとおりにきています」と返答。左表にあるが、国内では毎年約500基ずつ増え続けるペースできており、このままいけば2020年には約5000基と計画どおりになる。いや失礼しました。宿題を順調にこなしているわけだ。
●宿題を終わらせただけでなく、追加の“宿題”もどんとこい!?
しかし、7月末の経産省の発表で、これからもっと凄いことになりそうだ。「急速充電機を2014年度までに全国のガソリンスタンド数に匹敵する約3万6000基にする!」という。2020年までに5000基設置という従来目標を約7倍に上方修正、この2年間で一気にEV普及を加速させる狙いだ。補助金制度の大改定により、国からの補助金が1005億円に大増額されたことが背景にある。
EV普及にかかわる「次世代自動車振興センター」の担当者へ聞いてみると……、
「急速充電機のなかでも公共性のあるもの、つまり誰でも使える充電機の普及が思ったより進んでいない。それもあり、今回1005億円の補助金が割り当てられたんだと思います。
また、各地方自治体のビジョンにもEV普及が望ましいという声が多いです。公益性のある急速充電設備には国からの補助金が従来の1/2から2/3と、より多くなるので、各地に一気に増えそうですね」
急速充電機普及の宿題はひとまず終了。約3万6000基を追ってEVも一気に増える!?
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)





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