出張などの空港までの行き帰りで頼りになるのがリムジンバスだ。多少の渋滞が発生しても、ほぼ定刻通りに目的地まで身体と荷物を運んでくれる。その速達性、正確さはかなりのものだ。そこでリムジンバスに勝負を挑むべく、編集部員&ライターが運転する3台の乗用車とで、目的地までの時間を競ってみた。
乗用車はロードスター(ナビなし)、86(ライター永田氏が運転。ナビの使用・不使用は自由)、フリード(インターナビプレミアムクラブ搭載、ナビの指示に従う)の3台。最も早く目的地へ着くのはどの1台だ!?
文:ベストカー編集部、末長高章【バスマガジン編集長】
写真:WEBベストカー編集部
ベストカー2017年1月10日号
横羽線と湾岸線、スタートからルートが割れる
勝負の開始は17:00。同時刻に羽田空港第1ターミナルを出発し、18:25に池袋サンシャインバスターミナルに到着予定のリムジンバスがターゲットだ。リムジンバスにはWEB編集部・シオカワが乗り込み、通過したルートを逐一報告することになっている。
3人の刺客+リムジンバスが選択したルートは、さまざまだ。タカセ&ナガタは空港中央入口から湾岸線に乗り、フリード搭載のインターナビ任せのイイジマとリムジンバスは、環八経由で羽田入口から横羽線に乗った。
そして湾岸線を選択したタカセから、いきなり連絡が入る。
「渋滞してます」
そのまま8時間くらい渋滞にハマるがいい。などとイイジマが余裕をカマしていたら、昭和島JCT付近でリムジンバスに乗るシオカワから、
「バスが湾岸線に入ります」
との連絡が。横羽線ダメなの? インターナビは「横羽線乗っとけー」って、いってるんだけど!?
1発目の報告以降、連絡がないタカセ&ナガタはどうなっているのか。勝負開始より1時間も前の道路状況をスマホで確認して、
「中央環状線いくッス」
と宣言したナガタはたぶんダメだろうが、タカセと、シオカワの乗るリムジンバスの動きが気になる。そんな時、シオカワから久々の報告が。
「中央環状線に入りました」
ウソだろー!!
リムジンバスと別ルートをゆくフリード、その選択は吉と出るか、凶と出るか!?
さほどひどい渋滞に捕まらず、首都高環状線に辿りついたフリード。残すは首都高5号・池袋線のみ。なのだが、ここでまさかの大渋滞。
が、インターナビは何も語らない。そして、時間だけが無情に過ぎていく。
どれほどの時間、どこまでも続く赤いテールランプを眺めていたのだろう。ようやく東池袋出口に到達し、サンシャインのバスターミナルにクルマを近づけたところ……、リムジンバスがいない!
ロードスターと86もいないが、それはどうでもいい。大事なのはリムジンバスだけだ。
リムジンバスがターミナルに現われたのは、フリード到着のおよそ15分後の18:50。定時の18:25分より25分遅れたが、バスから下りてきたシオカワに話を聞くと、途中、中央環状線が大渋滞していたものの、最初の停留所である池袋駅西口にはちゃんと18:30に到着していたらしい。
軽度の遅れですませたのはさすがといえるが、伝説は、いま打ち砕かれたのだ。
……と思っていたら、後日、リムジンバスの運行に詳しい人物から、衝撃の事実が伝えられた。
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