カローラ、スカイライン…考えすぎが裏目に!? ユーザーに迎合して苦しんだクルマたち

8代目トヨタカローラ

販売期間:1995~2000年

 8代目カローラは1995年にデビューし、開発コンセプトは、「Value for Moneyを追求した、新時代のベストコンパクトカー」というものだった。

 バブル崩壊後といこともあり、クルマは安いほうがいい!! というニーズを全面に受けての登場となった。

エクステリアを見た感じでは商用セダンのように見える8代目カローラ。未塗装のバンパーは黒、濃紺以外のボディカラーでは目立ち、チープだと不評

 実際に7代目のSEリミテッドの最終モデルが150万3000円だったのに対し、8代目のSEサルーンは145万7000円と値下げされていたように、おおむね安くなっていた。

 しかし、上級グレードのSEでさえもカラードバンパーが当たり前の時代に、前後バンパーの一部が未塗装のブラックバンパーが装着されていた。トランクのヒンジも未塗装で、コストダウンが目に見えていた。

 トヨタは目に見えない部分でコストダウンしても見える部分は豪華にする、というが当時のトヨタのクルマ作りの流儀だったが、8代目カローラはチープすぎて失敗。

 失敗と気づいたのか、トヨタはデビュー1年後には一部改良でバンパーを塗装タイプにし、1997年のマイチェンでオフセット衝突対応の安全ボディGOAを新採用するなど、トヨタは8代目カローラで迷走していた感は否めない。

ユーザーからの不評もありデビュー2年後のマイチェンではバンパーはボディ同色となった。サイドモールも同色化されたことで高級感を出している

スバルエクシーガ

販売期間:2008~2015年(エクシーガ)、2015~2018年(エクシーガクロスオーバー7)

エクシーガは同時代のレガシィツーリングワゴン(4代目)よりも全長は60mm長いだけだったが、ゆったりとした3列シートを実現していた

 スバルは1989年にデビューした初代レガシィツーリングワゴンのヒットにより、ステーションワゴンメーカーとして確固たる地位を築き、トヨタをもってしてもその牙城を切り崩すことはできていない。

 スバル=ワゴンのイメージがあるなか、スバルのミニバン登場への期待感が高まっていた。スバルは2001~2005年までコンパクトなボディに3列シートを備えたトラヴィックを販売していたが、これはオペルザフィーラのOEMだったこともあり、スバルオリジナルの3列シート車に乗りたい、というニーズが高まったのだ。

7人乗りではあったが、3列目シートをたたんでワゴン的に使う人も多かった。いざという時に乗れることに価値を見出していた

 2008年に待望のスバルオリジナルの3列シートミニバンのエクシーガをデビューさせたのだが、リーマンショックの影響は無視できなかった。それよりも2008年当時は、乗用タイプミニバンマーケットが大幅に縮小していたことが大きかった。

 ほかのスバル車同様に年次改良によってクルマは進化、熟成されたことで一定数の需要はあったが、2015年に販売終了となった。

 エクシーガの販売終了後に、SUVテイストを加味したエクシーガクロスオーバー7をデビューさせたが、3年弱の短命モデルとなってしまった。

 エクシーガはスバルがユーザーのニーズに応えるかたちで発売したが、その発売時期が悪かった。

エクシーガをベースにブラックアウトしたオーバーフェンダーを装着してSUVテイストを加味したエクシーガクロスオーバー7は3年弱の短命に終わった

【画像ギャラリー】マイチェンで復活の兆しを見せるスカイライン

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