300km/h。いまではスーパーカーでは当たり前となったこの速度。近年では国産車でもGT-Rをはじめ300km/hオーバーのマシンが存在する。
そしてそんな300km/hの世界にまた新たなクルマが加わった。それが最高速307km/hのホンダNSX。
国産車で久しぶりの大台超えを記念して、国産車300km/hへの道のりを紹介しよう。
文:ベストカー編集部
写真:茂呂幸正、日産、ホンダ
初出:ベストカー2015年12月26日号
新型NSXの登場で国産車も300km/hオーバーの常連に!?
2016年、自動車業界を賑わせた車種といえば新型NSXだろう。
V6、3.5L DOHCツインターボ+3モーターハイブリッドのシステム出力は573ps/65.8㎏m。そして、最高速はなんとカタログ値で307㎞/hとなっている。
最高速が300㎞/hを超える日本の量産車はGT-R、レクサスLFAに続き、NSXが史上3車目。LFAが325㎞/h、GT-Rはノーマルが309㎞/h、NISMOが315㎞/hで、NSXは歴代3位ということになる(すべてメーカー公表値)。
近年、500psや600psはあたりまえという馬力のデフレ現象が起こっており、それとともに最高速も上昇。スーパースポーツクラスなら最高速300㎞/hは「超えて当然」という状況になってきている。
そうは言っても300㎞/hは高い壁。最新技術の粋を尽くしたクルマでなければ、その速度域で安定して走らせ、安全に止めることができないのは言うまでもない。
少なくともスペック上では300㎞/hが身近になりつつある今、改めてその凄さを知るべきではないか。なんつって、そんなに大上段に構えるつもりもないのだが、ここで300㎞/hの世界をちょいと覗いてみようではありませんか。
長くかかった300km/h突破への道のり
日本の量産車が初めて最高速300㎞/hを超えたのは2007年デビューのR35 GT-R。天才・水野和敏氏の力作だが、日本車がそこに至るまでには長い年月がかかっている。
そもそも200㎞/hを超えるまでが長かった。日本車で初めて最高速200km/hオーバーを表示したのは1967年登場のフェアレディSR311の205km/hだったが、これはあくまでカタログ値。実測での200㎞/hオーバーは1981年登場の初代ソアラ2.8GTが初めて。
以降、競争が激化し、1980年代には最高速200㎞/hを超えるクルマは増えたが、300㎞/hは遠い彼方の世界であった。その最大の要因は1989年から始まった280ps自主規制。
パワーが頭打ちでは最高速は伸ばせない。スカイラインGT-RもスープラもRX-7も、250㎞/hが限界だった。しかし、それでも日本車は健闘していたのだ。
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